医療逼迫…看護師に同僚の“心ない言葉”も
2日、東京の感染者数は、水曜日で最多となる500人でした。いま、新型コロナウイルスの患者を受け入れている病院は「本当にギリギリの状況」といいます。一方、コロナ患者の担当になったばかりの看護師は、過酷な現場で同僚からの“心ない言葉”にまで直面していました。
◆すぐ満床に…病床の現状
2日に埼玉県の羽生総合病院で撮影された重症患者病棟の映像で、スタッフが操作していたのは、人工肺=「ECMO」。重症者を救う“最後のとりで”と言われるもので、酸素量などの設定を調整していました。
現在、この病院に入院中の重症者は3人、うち2人がECMOを、1人が人工呼吸器をつけているといいます。
羽生総合病院の高橋暁行副院長に、病床の現状を聞くと……
高橋副院長「受け入れ病床数は28床、そのうち24床が現在埋まっています。この2~3週間この状況が続いて、何日か満床にはなっているんですが、すぐ帰って、すぐ埋まっての繰り返し」
◆病床確保を「今、本当にギリギリの状況」
今、準備を進めているのが病床の確保です。工事の真っ最中なのが、プレハブのコロナ専用病棟。年明けの来月1日から開設する予定で、新たに80床増やすといいます。
高橋副院長「もうこれ以上、患者あるいは重症の患者が増えてしまうと、病院がおそらく対応しきれなくなってしまう。今、本当にギリギリの状況で、この12月1か月をどのように乗り切っていくか。入院できないことで重症化して命を落としてしまう人が出てこないかと非常に危惧している」
全国の重症者は1日時点で488人、先月30日から5人減りました。ただ、亡くなった人もいるため、重症者の推移については今後も注意が必要です。
◆コロナ患者担当の看護師が直面する“過酷な現場”と“言葉”
そんな中──
看護師(20代)11月の27日から(コロナ患者を)受け入れています」
20代の看護師の女性は、5日前にコロナ患者の担当になったばかりだといいます。
看護師(20代)「かなり精神的に負担は感じています」
女性が勤める病院では、10人の看護師が交代制で5人のコロナ患者を担当。患者は全員、重症化リスクの高い80代から90代の高齢者で、食事の介助は、患者がむせて飛まつを浴びないよう、1時間ほどかけ、神経をすり減らしながら慎重に行っているといいます。
それに加えて、過酷な現場で直面するのが同僚からの“心ない言葉”でした。
看護師(20代)「同じ病棟の中でもナースステーションに入って挨拶する時に『ここではしゃべらないで』とか『パソコン触らないで』と」
──5日前まで一緒に働いていた人が。
看護師(20代)「ばい菌扱いされているというか、仲間だと思ってもらえていないのかなと」
実家で両親と姉と暮らしていますが、食事は別々、会話もほとんどないといいます。
看護師(20代)「いつまでこれが続くのか分からないことが一番不安」
(2日放送『news zero』より)