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都心の池から「泳ぐ宝石」や“国産”メダカ

2020年11月30日 22:40
都心の池から「泳ぐ宝石」や“国産”メダカ

生態系や水質を守るため、池の水を全部抜いてきれいにする「かいぼり」が都内の公園で行われました。この池では3年前にも、「かいぼり」を行い、外来種を駆除しましたが、今回も次々と捕獲されました。中には「泳ぐ宝石」ともよばれる、あの魚もでてきました。

網から逃げ回る、色鮮やかな模様の魚。危険なカメも捕獲されたこの池。市民の憩いの場、和田堀公園にある和田堀池です。

東京・杉並区の住宅街の中にある和田堀池。近くに流れる川と井戸から水を引き入れていて、都内でも数少ない、カワセミが生息する自然豊かな場所として知られています。

スタッフ「池の水を抜くために、水門を開けるところです」

今月19日、ポンプを池に設置し、かいぼりの準備が始まりました。川と井戸からの水を止め、池の中の生き物に注意しながらゆっくり、時間をかけて池の水を抜いていきます。その量はなんと3400トン。

東京都が池の生態系を守るため実施している、かいぼり。東京都がはじめて行ったのは2014年、井の頭公園の池でした。

「(Q 何ですか?)アオウオ、アオウオ」

すると水質は劇的に改善。3回目のかいぼりでは、捕獲した生物の中に占める在来種の割合が、4倍以上に回復していたといいます。
実は和田堀池でも、2017年に初めてかいぼりを実施。多くの外来種が捕獲されました。

それから3年。池はどうなっているのか。28日、水の抜けた池で、捕獲が始まりました。前回は200人のボランティアが参加しましたが、今回は新型コロナ対策によりおよそ30人に制限。

網を手に、次々と池の中に入ります。すると開始早々、見事な紅白模様をした魚を捕獲!さらに、タライの中で暴れ回るその正体は、ニシキゴイです!次々と見つかり、全部で8匹が捕獲されました。

その鮮やかな見た目から、別名「泳ぐ宝石」ともいわれるニシキゴイ。観賞魚として、日本でも昔から親しまれていますが、なんと外来種。実は琵琶湖など一部地域に生息しているコイ以外は、ほぼ全て外来種だといいます。

高値で取引されることもありますが、今回つかまえたニシキゴイを販売業者にみてもらったところ、値段は高くて1万円ほどだといいます。

スタッフ「手を出すとかまれたりする」

さらに池からは、外来種のアカミミガメや、警戒すると異臭を放つクサガメを捕獲。前回は16種類の外来種を捕獲しましたが、この3年の間に、ペットとして飼われていたものが、池に捨てられた可能性が高いといいます。

さらに環境省が、「緊急対策外来種」に指定するアメリカザリガニも。つかまえようとしたその時。

ボランティア「あ、行っちゃった」

ボランティア「ちょっと待って、あ!あ!足もと抜けてった!」

その正体は…。

「あ、ナマズだ」

2本のひげが特徴的な、ナマズを捕獲!日本固有の在来種です。

ボランティア「あ、カニ!」

さらに、上海ガニの仲間だという、在来種のモクズガニ。絶滅が危惧される、在来種のメダカも見つかりました。

つかまえた生き物は、専門のスタッフが、1匹ずつ手作業で分類。この日、池からは11種類の在来種と、10種類の外来種が見つかりました。外来種は今後駆除するといいます。

さらに池には、ゲーム機や、壊れたイスなどたくさんのゴミも捨てられていました。

東京都建設局 東部公園緑地事務所事業推進課 曽我千文課長「池の自然に反するような行動はどうかなと、考え直すことにつながれば」

来年1月下旬ごろ、水を戻したあと、在来種を池に戻す予定です。