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秋篠宮さま55歳の誕生日 会見全文4/5

2020年11月30日 0:27
秋篠宮さま55歳の誕生日 会見全文4/5

秋篠宮さまは、きょう11月30日、55歳の誕生日を迎えられました。誕生日に先立って20日に行われた記者会見では、皇位継承順位第1位の皇嗣となったことを内外に示す「立皇嗣の礼」が終了した感想や、新型コロナウイルス禍のご一家の近況、皇室の公務のあり方などを率直に述べられました。

延期されている長女の眞子さまと小室圭さんとの結婚については、「認める」と初めて明らかにされました。「結婚と婚約は違う」と述べられた父としての思いとは─。

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■この1年を振り返って

(問5)
今年は新型コロナウイルスの影響で、一斉休校や経済の停滞、東京オリンピック・パラリンピックの延期など、社会や人々の生活が大きく変わり、7月の豪雨災害では大きな被害が出ました。一方、皇室では上皇上皇后両陛下が3月に仙洞仮御所に引っ越されるなど環境の変化がありました。この1年を振り返って印象深かった出来事をお聞かせください。

(秋篠宮さま)
この1年というと、ほとんどCOVIDのことになってしまいます。昨年末ですね、年末に原因不明の肺炎という形で確か報道されましたね。そういうのが報道されてから日本で感染が確認されたのが1月ですか、本当にすぐだったわけです。私自身当初はそれほど気にしていたわけではないんですけれども、そのうちにどんどん広がってきて、しかもいろいろ話を聞いていると、かなりその肺炎の症状にしても間質性肺炎のような状況が出てるとかですね、これは相当大変なことになってきたなというふうに感じました。

そのような中で、日本国内においても感染者が広がる中で医療機関が本当に懸命になって誠心誠意、重篤者・重症者の治療に当たることをしているわけですね。これはとにかく重症者が増えれば増えるほど病院自体がひっ迫、病床をどんどんそれで取っていきますから大変なことになるわけです。そして今、つい最近また感染者数が非常に増えてきて、しかもリスクが高いといわれている高齢者にも感染者が多くなってきました。こういう中で、病院の受入れ、それからそれに当たるスタッフの人たちのことが非常に気にかかっています。そしてまた本当に日夜献身的にですね、このことに従事している医療関係者には頭の下がる思いであります。

このCOVIDはそういう医療の問題とともに経済活動への影響も非常に大きいですね。やはりこれによって、様々な業種・職種で大変な思いをしている人たちがたくさんいるということも私にとっては心配です。例えば本当に総論的にそういうことが分かっていますけれども、実際に私の知っている、例えばなじみのあるお店自体が閉店になったりとか、それからそうですね、例えば、農業生産をしている人たちが取引をしているところがクローズしているために困っているとかですね、そういう話を実際、そういう立場になっている人たちからの話を聞くと、より一層その深刻さというものを感じるようになりました。

あとそうですね、この間例えば中学生であったりとか、高校生であったり、それから大学生であったり、様々なその全国規模のコンクールとか大会とか、そういうものが中止になっています。とにかくその人たちにとっては本当に短い期間しか、そこに参加することができないわけです。そういう人たちにとっても、このコロナ禍というのは非常に残念なことだっただろうと推察しています。

そしてもちろんそういう全国的な催物もそうですけれども、学校における授業、これも例えば大学などは今でもオンラインで行ったりしていますね。そうするとそういうものというのは、個人個人の通信環境によってもかなり左右されますし、いろいろなところで必ずしも全員が平等にできるわけではないのではないか、ということを思ったりもいたしました。

そうですね、そのほかにも多分このコロナ禍においてはいろいろなところに影響が出ていますので、これは何とか早い時期に収束してほしいなという願いを持っています。幸い治療法とかは初期に比べると、大分いろいろなことが分かって、確立してきたということは聞いておりますけれども、やはり安全なワクチン、そして治療薬というのが待たれます。

本当にこの1年は、そういうCOVID関係が中心になるわけですけれども、それ以外で思い当たるのは、一つは地球の歴史において、その時代の名称に日本の地名が付いたというのがありましたですね。最近地磁気が逆転している状況が一番よく残っているということで、千葉の市原市ですか、そこがチバニアンという日本の地名が付けられたということは非常に印象深いことでしたし、またスーパーコンピュータ、富岳ですね、富岳がTOP500で6月に続いてつい先日もまた1位になったということで、これも大変いいニュースだと思います。これが様々な事柄に利用されていくといいなと思っています。

そしてもう一つ、これは国際的な賞ですけれども毎年スウェーデンで行われるストックホルム青少年水大賞というものがあります。これは、日本で行われる水大賞、青少年の水大賞で1位を取ったところが向こうに行って、プレゼンテーションをして、それで競うというわけですけれども、今年はこういう状況ですのでそれらがオンラインで行われました。そうしましたところ、そのオンラインでのプレゼンテーションが済んだ後の発表でですね、日本の青森県の名久井農業高等学校ですけれども、そこがグランプリを獲得したと。これは2004年でしょうかね、沖縄県の当時の宮古農林高等学校がグランプリを獲得して以来の大変な快挙だと私は思います。

また、その時に高校生が行ったテーマが農業生産、特にアフリカとかですね、そういうところの農業生産に寄与、貢献するということを目的にして、多機能の集水システムを集水とともに土壌流出も抑えるわけなんですけれども、それを日本の伝統的な工法、たたき三和土というものがありますけれども、それを使ってみたらどうかというのでいろいろ実験をしながら開発したということで、今後もしそういうことが実際に使われるようになれば、それこそいろいろなところでの農業生産に貢献するでしょうし、またそれをこの古くから日本にあった技術を使ったということも非常に興味深いことで、私としてはそのことを大変喜んでおります。

今思いつくものでは大体以上であります。

(記者)
ありがとうございました。