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事実上“検閲”「教科書審査」実施へ 香港

2020年11月27日 15:41

香港の教育当局は、今後、学校で使用する教科書を、審査すると発表しました。事実上の「検閲」で、当局に批判的な教科書を、排除する狙いがあるとみられます。

香港の教育当局が、問題視しているのは、社会問題などを学ぶ「通識教育」と呼ばれる、高校の必修科目の教科書です。早ければ来年9月から、当局の審査に合格した教科書しか使えなくなります。

これまで、一部の教科書は、香港の民主化運動を紹介し、1989年の天安門事件についても、「民主化を求めた学生たちを軍隊が武力で鎮圧した」などと記載していました。

一国二制度で、高度な自治が保障されている香港では、このような教科書を使うことが認められてきましたが、香港政府は、若者たちをデモに駆り立てる原因の1つだと問題視し、去年から修正や削除が相次いでいました。

今後、教科書の検閲制度を導入し、学校教育への介入を一層強める狙いがあるとみられます。