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市議「克行被告に“選挙に案里が出る”と」

2020年11月26日 21:16

元法務大臣の河井克行被告の第12回公判が11月26日に行われ、出廷した広島市議が、克行被告から2回にわたり現金を受け取ったことを認め、「今度の参議院選挙に案里が出るんですが、応援してもらうの難しいですよね」と言われたと証言しました。

11月26日の裁判では、審理が再開してから初めてとなる証人尋問が行われ、午前中はまず、河井克行被告の公設第二秘書が出廷しました。

公設第二秘書は、検察側から、案里被告陣営での方針を決めて指示をしていたのは誰かと問われると、「(克行)代議士です」「全体の統括者です」「(克行)代議士から指示がきて(克行)代議士に報告をしていたからです」などと述べ、克行被告が陣営を取り仕切っていたと証言しました。

また、案里被告の後援会の人から2度、現金が入ったとみられる封筒を預かったとも証言。「『もらっちゃいけないものを受け取ったので、これを克行代議士に返してほしい』と言われました。現金だと思いました」などと証言しました。

午後には、弁護側の証人尋問が行われ、検察による取り調べの回数や状況について「60回弱の取り調べを受けました」「正直に話す方がいいんですか。家からいなくなる方がいいんですか」と逮捕をほのめかされたことがあったと証言しました。

一方で、「調べが長引くとか、逮捕されるかもしれないという思いが、調書に影響したことはありますか?」と問われると、「迎合したとは思っていません。ただ正直に話そうと思いました」などと証言しました。

その後、今田良治広島市議が証人として出廷し、昨年3月に30万円、6月には20万円の現金を克行被告から受け取ったと認めた上で、「参院選の応援要請だと思いました」と、買収の意図を認識していたと証言しました。

また、6月に克行被告から現金を渡された日には、克行被告から「『今度の参議院選挙に案里が出るんですが、応援してもらうの難しいですよね』」と言われ、「一票もお手伝いすることは出来んのです」「弁当20個くらいで、議員生命を棒に振られた方もいますよ」などと断ったものの、「克行先生が封筒を事務所の応接室のテーブルの上に置いていきました」などと、当時の状況を証言しました。

【公判を追う】河井夫妻・選挙違反事件 克行被告第12回公判(11月26日)