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中国で高まる剣道熱 コロナ禍でも冷めず

2020年11月19日 20:55
中国で高まる剣道熱 コロナ禍でも冷めず

意外と思うかもしれないが、中国で日本の文化である剣道が広まっている。始まりは20年ほど前、中国で仕事をする日本人駐在員などが中国人に剣道を教えたことがきっかけとなった。

現在、中国本土の剣道人口は約2万人に達し、北京だけで12の道場があり、上海や深センなど様々な都市に道場ができている。3年に1度開かれる世界大会には、中国代表チームが編成され2009年のブラジル大会から4回続けて参加している。日本との交流も盛んに行われていた。
それが、新型コロナウイルスによって状況が一変し、一時は活動禁止に追い込まれた。感染状況が落ち着いた6月ごろから徐々に再開されてきたが、屋内の活動であることや人と人との接触が避けられないことなどから活動は制限されてきた。

そうしたなか、北京で大きなイベントを開催するというので取材に向かった。中国人の剣道愛好家が120人ほど集まっていた。日本企業の会社員として仕事をするかたわら、北京や天津で8年間にわたり剣道を教えてきた日本人の先生が帰任することになり、中国人剣士が集まって送りだそうというものだった。

現在、北京市政府の通達ではスポーツのイベントを開催する場合、人数の規模は1000人以下と決められている。さらに体温検査を行うことや参加者のリストを作らなければいけない。つまりは感染対策を徹底した上で、もし参加者の中から感染者が出たとしても濃厚接触者を洗い出せるようにしているのである。

今回取材に行った剣道イベントでもこうした対策は徹底されていた。参加者は事前に氏名や連絡先、身分証番号を記入したリストを提出し、入場の際には体温検査を行い、スマートフォンのアプリを使い感染リスクの高い地域を訪れていないことや感染者もしくは感染疑いのある人と接触していないことを証明する必要があった。加えて体育館内ではマスクを着用しなければいけない(さすがに記念撮影の時は外していた)。
防具を着けて剣道をする際にも原則としてマスクをつける必要がある。体力を激しく消耗してしまうので練習時間は短時間で行われた。身を持って体験してみようと練習に参加してみたが、5分と経たずに息が苦しくなった。剣道をするためにここまで対策をとらないといけないのかと痛感した一方、マスクをしてまで剣道をしようという中国の剣道家の熱い思いを感じることができた。

中国では日々の暮らしのなかで、新型ウイルスの影響を感じることは少なくなった。大人数で外食することもあれば、映画館などの屋内施設に行くこともできる。中国国内であれば旅行に出かけることもできるようになった。ただ感染対策はどこにいっても行われており中国ではウィズコロナの時代が日本より一足先に定着したように感じる。

NNN中国総局 古江正彦