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中央自動車道またぐ橋 耐震補強で施工不良

2020年11月5日 0:36
中央自動車道またぐ橋 耐震補強で施工不良

NEXCO中日本は、中央自動車道をまたぐ橋の耐震補強工事で、鉄筋が8本不足する施工不良があったことを発表しました。また、他の3つの橋での補強工事についても、同様に鉄筋が不足している疑いがあるとして、状況を調べています。

NEXCO中日本によりますと、この工事は、中央道に関連する7つの橋について耐震補強工事を行っているものです。

最大震度7を観測した4年前の熊本地震で、橋が崩落するなどの被害が起きたことを受けて2年前から行っていて、NEXCO中日本八王子支社が発注し、福岡県宗像市の「大島産業」が工事を請け負っていました。

ところが今年9月、NEXCO中日本の社員が既に補強工事が終わっていた、東京・日野市にある「緑橋」の「橋台」と呼ばれる土台に、2か所ひび割れがあることを確認。このため先月26日、工事を請け負った「大島産業」に調査を指示。

その結果、本来、この耐震補強工事では、鉄筋を縦方向と横方向の網目状に入れる必要があるものの、実際には横方向の鉄筋8本が入っていないことが今月2日、判明したということです。

NEXCO中日本では、ひび割れは鉄骨不足で強度が落ちたために生じたとみていて、「通常時の安全性に支障はないが、大規模な地震が発生したときに落橋や倒壊するおそれがある」と説明しています。

NEXCO中日本は、早急に鉄筋を追加する工事を行うとともに、工事を請け負った大島産業に対しては、損害賠償を請求するとしています。

大島産業は他に「原山橋」「北原橋」「絵堂橋」の耐震補強工事も請け負っていましたが、これらの「橋台」ついても同様に鉄筋の不足が疑われていて、NEXCO中日本は、大島産業に対して追加の調査を指示し、今月18日までに報告するよう求めているということです。

写真提供:NEXCO中日本