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困る賞味期限切れ…表示変更で罪悪感減る?

2020年11月4日 20:20
困る賞味期限切れ…表示変更で罪悪感減る?

気がつくと賞味期限が切れていて、がっかりする。そんな場面があると思います。そうしたなか、賞味期限を日付単位から月単位に変更する動きが広がっています。消費者にとっては罪悪感が減る、そんな取り組みのワケとは。

東京・大田区のこちらのスーパーでは、生姜焼きのタレは650円のところ1本99円です。たくあん1kgで19円です。

調味料や食品、飲料が破格の値段で売られていました。

実はこちらの店、賞味期限が切れた訳あり商品を扱っていて、製造から賞味期限までの期間の1.5倍までを目安に、味見もしながら販売しています。特に今年は。

店を運営するファンタイム 松井順子代表「本来配られる予定だった商品が行き場を失ってしまって」

イベントの中止によって使われなくなった景品や、観光地などで売れ残ったお土産などを買い取ってほしいという声が、相次いでいるといいます。

また、おうち時間が増えたことにより。

主婦20代「これいつだったっけ賞味期限ってよく見ます。ちょっと(賞味期限を確認する)余裕ができたのかなって」

これまで気にしていなかった賞味期限を意識するようになった人も。

この賞味期限を巡って、お好み焼き用のソースなどを製造するオタフクソースでは、ある取り組みが。

担当者「あちらのモニターに映っているのが、賞味期限の印字になっています」

every.「年と月までということなんですね」

これまで賞味期限を「なん年なん月なん日」と表示していましたが、今年9月以降に製造した、家庭用の主力商品のほとんどを、「なん年なん月」までの表示に変更しています。

オタフクソース品質保証部 水野英樹部長 「(年月日表示だと)その日を過ぎると食べられないんじゃないかと、お客様たくさんいらっしゃると思うんですけど、すぐに腐ってしまうというものではなくて、安全安心で食べていただける担保をとりながら、年月表示に変更している」

「年月」表示にすることで、賞味期限が月末になり、食品ロスの軽減につながる他、在庫の管理もしやすくなるといいます。

賞味期限の「年月」表示に街の人は…。

「いいんじゃないかなって。捨てる時って罪悪感もありますし」

「(賞味期限が)過ぎた日にちの感覚で、捨てちゃったりもあったので、それが解消されるなら、いいところにつながる」

大手食品会社の明治も常温保存できる食品など、100品目以上にわたり賞味期限を「年月」表示に変更。

今年度中の切り替えを目指しています。賞味期限の「年月」表示への変更が、なぜ企業で相次いでいるのでしょうか?

株式会社明治サステナビリティ推進部 齋藤明敏さん「国連で採択されましたSDGs(=持続可能な開発目標)、食品廃棄物の量を半減するという目標があげられています」

貧困や環境問題などを解決するため、日本を含む世界中の国が2030年までに達成を目指す目標「SDGs」に貢献したいという背景も。

コロナ禍で取り組む「食品ロス問題」。今後も各企業の取り組みは増えていきそうです。