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首里城火災 再建を動画で伝える女性の思い

2020年10月31日 21:12
首里城火災 再建を動画で伝える女性の思い

再建に向けた歩みを始めている首里城。その変わりゆく姿を伝え続けている女性がいます。火災で受けた痛みを胸に、活動するその思いとは…。

阿波根あずささん「なんか焼失した後に御庭を見たときにですね。なんか御庭が小さく見えたんですよね。見え方ががらりと変わりました」

地元沖縄で生まれ育った阿波根あずささん。

宮古島沖縄観光の魅力を自ら撮影した映像で発信する活動を続けてきました。

「(首里城は)私にとっては自分の人生観を変えてくれた場所なので」

特に首里城には強い思い入れを持っていたといいます。しかし、あの日…火災を知って駆けつけた阿波根さんを待っていたのは信じられない光景でした。

「どうしたらいいかわからないというか。失ってから気づくみたいなことが二度とないようにします」

変わり果てた姿となった沖縄のシンボル「首里城」。最初は無残な姿を見ることも辛かったという阿波根さんですが、今、再建に向け変わりゆく首里城の姿を伝えていこうと決めたのです。

「責任というか自分たちがやっぱり、もっと大事にしてこなかったからだよなという思いもあったので」

今年6月。焼け落ちた正殿の跡など一般公開が始まりました。階段をあがった先に見えてきたのは石の台座を残し、跡形もなく燃えてしまった建物の跡でした。

「赤瓦というよりね。真っ黒焦げに焼けてしまっている。初めて間近で見たので心的ダメージが結構大きいです」

しかし、焼け残った貴重な遺跡に勇気づけられることも…。

「本当にこの遺構が無事でよかった」

ときには辛くてもなぜ首里城に通い続けるのでしょうか。

「焼けた跡は見ずに、また再建された首里城を見ると、どういったふうに再建まで一つ一つどんな作業があってここまできたのかという、歴史がやっぱりわからないので。好きだからこそほかの人が見えない部分まで、自分が徹底的に取材をして伝えていかなきゃいけないなって。今の首里城も私は美しいんだよっていうことを伝えていきたい」

首里城を訪れる人は、火災に加え新型コロナの影響も加わり大きく落ち込んでいますが、阿波根さんは復興の“過程”を見に来てほしいと呼びかけています。

「ぜひですね。今、復元に向けて、一歩一歩進んでいっている。首里城も多くの人に見ていただきたいと思ってます。ご視聴いっぺーにふぇーでーびたん(大変ありがとうございました)。またやーたーい!(また会いましょう!)」