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【解説】「5万円追加給付」案、実現する?

2020年10月15日 21:07
【解説】「5万円追加給付」案、実現する?

GoToキャンペーンなど感染拡大防止策をとりながらの経済対策も始まっている中、自民党内から「国民一律5万円の定額給付金」という提案が出ています。一方、これに乗じて、偽メールや偽サイトを使った詐欺も目立っています。

■一律5万円給付、政府内の反応は?

自民党の長島議員が、10月14日、菅首相と官邸で会い、国民一律5万円の定額給付金支給を盛り込んだ追加の経済対策求める要望書を渡しました。 

それに対し、加藤官房長官は15日午前の会見で「様々な方のご意見、こういったご意見にも耳を傾けていきたい。今の段階で具体的に何をというわけではありません」 と述べています。 

そして、公明党の議員からは「そもそも財源の問題。5万円一律でやったら6兆円かかる。簡単じゃない」という声が上がっており、財務省の幹部は「一律でやるのはおかしい。全国民に給付ではなく苦しい人に手厚くやるべき」と話しています。 

■給付金10万円「使い道」1位は?
 
定額給付金といえば、5月頃から緊急経済対策として国民に一律10万円支給されました。街の人に使い道を聞いてみました。 ニッセイ基礎研究所が実施した調査結果(20歳~69歳の男女2062人に調査)によると、 トップ10は以下の通りです。

1位:生活費の補てん
2位:貯蓄
3位:国内旅行
4位:家電
5位:マスクなどの衛生用品
6位:外食
7位:子供の教育
8位:ファッション
9位:家具・インテリア
10位:医療/投資
 
医療、投資、子どもの教育マスクや除菌グッズ購入などなどがあり、3位は国内旅行(10.1%)、2位は貯蓄(26.1%)。1位は生活費の補填(53.7%)と全体の半数以上で、ダントツです。 
 
■給付金10万円「使い道」年代別で見ると・・・

年代別で見ると、それぞれの世代で特徴が出ています。 1位と2位はどの年齢でも変わりませんが、30代から60代では半数以上が生活費の補填と答えるなか、20代だけはやや低く半数に届いていません。 

20代は独身であることや、親世帯と同居している人も多いため、生活費がそこまでかからないと推測されます。その分、ほかの世代より家具・インテリアやファッションが高い傾向があります。 30代は家庭を持つ人も多く、将来への備えに敏感になるのかほかの世代より貯蓄が多く、40代は学費などの負担が重くのしかかる時期で、ほかの世代に比べ子どもの教育が多い傾向があります。 そして、時間に余裕が出てくる50代60代では、3位に国内旅行が多いことがあげられます。 
 
また、年収が低いほど生活費の補填の割合が高く、年収が上がるにつれ、外食や旅行、家具・家電の購入など必需性の低い消費にあてる傾向がありました。 
 
調査した担当者は「全体的に見て、定額給付金は低所得層では生活支援に結びつき、高所得層では需要喚起につながったという意味では、一定の目的は果たした」と評価しています。 

■「総務省」をかたる偽サイトに要注意 何もせず消去を
 
2回目の給付金の話が取り沙汰されていることを受けて、これに乗じた詐欺も目立つようになり、注意が必要です。その手口と対処法を解説します。

まず、メールが届きます。差出人は「総務省」と名乗っており、大きく「二回目特別定額給付金」と書かれていて、下の方に小さく「二回目特別定額給付金事業が実施されることになり実施本部を設置した」と書かれています。 そうして「最新情報はこちら」と偽サイトへ誘導しています。 
 
誘導先の偽サイト画面の申請ボタンをクリックすると、名前、生年月日、住所運転免許証やパスポートの番号、クレジットカードの番号など様々な個人情報の入力を求められます。 
 
2回目の給付金はまだ決まっていません。こういうメールやサイトを信じないようにしてください。 
 
総務省には15日午前中だけで100件程ほどの問い合わせがあり、公式SNSなどで注意を呼びかけた他、警察庁にも知らせたという事です。総務省幹部はこうした偽メールは「何もせず消去してほしい」と呼びかけています。 
 
これから寒くなり、再び感染が拡大する可能性も指摘されています。もし再び給付金が支給されるのであれば、コロナによって経済的に最も困窮する人々が少しでも救われる形を探ってほしいと思います。 

(2020年10月15日 16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)