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千葉で生産量激減“江戸前のり”原因は?

2020年10月13日 19:05
千葉で生産量激減“江戸前のり”原因は?

江戸前のり産地・千葉県では、のりの生産量が激減していますが、その原因の一端をカメラが記録しました。養殖施設に設置したカメラには、のりがあっという間に食べ尽くされる様子がうつっていました。のりを食べる魚の正体とは。

東京湾に面した千葉県富津港。これから冬にかけて、のり漁が最盛期を迎えます。「江戸前のり」として重宝される千葉県産ののりですが、ここ数年は不漁の傾向に。県によりますと、2016年度に約1億8100万枚だったのりの生産量は、昨年度は約8400万枚と半分以下となっているのです。

その原因のひとつが、千葉の海でも近年増加傾向にあるというクロダイです。県の水産研究センターは去年11月、のりの漁場に水中カメラを設置。初めてクロダイによる食害をはっきり捉えました。この写真を見た時、「まるでクロダイの養殖場のようだ」と感じたといいます。

防除ネットを張るなど漁師の負担が増える中、千葉県内にある飲食店が動き出しました。

ブッフルージュ・野口利一オーナー「食べちゃおう。食べることで、のりを守れるかもしれないので」

クロダイをおいしく食べて有効活用する取り組みです。取材した日はクロダイがなかったため、特別に別の魚で調理してもらいました。そのメニューは、フライにして自家製のタルタルソースとともにいただくクロワッサンサンドです。こうした動きにのり漁師も…。

のり漁師・鈴木和正さん「おいしいのりとおいしいクロダイ、二本柱としてやっていけたら助かります」

漁協も協力し、特産化を目指したいということです。