×

回復した人の血しょう投与 臨床研究始まる

2020年10月2日 21:11

新型コロナウイルス患者の治療法の候補である、回復した人の血液の成分=「血しょう」を別の患者に投与する臨床研究が2日、国内で初めて始まりました。

2日午前、国立国際医療研究センターでは、酸素の投与が必要な中等症の新型コロナウイルス患者に、回復した人の血液の成分「血しょう」を投与する臨床研究が行われました。この治療法の臨床研究が行われるのは国内で初めてです。

「血しょう」には新型コロナウイルスに対抗できる「抗体」が含まれていて、十分な抗体を含む「血しょう」を別の患者に投与すれば回復を早める可能性があると考えられており、アメリカでは緊急使用が認められています。この臨床研究では、安全性や有効性を調べるということです。

一方で、輸血と同じように患者に点滴で投与するため、アレルギー反応が起こる可能性があるとの懸念がありますが、研究を担当する忽那賢志医師によりますと、今の時点で重篤な副作用は見られていないということです。忽那医師は「効果や安全性が証明されれば、将来的には全国で行える治療にしたい」と話しています。