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紀子さま54歳に 記者質問とご回答2/2

2020年9月11日 0:42

令和2年 皇嗣妃殿下宮内記者会 質問とご回答

令和2年9月11日

――また、このたびの感染症の拡大について、オンラインで様々な分野の専門家からのお話を家族で伺い、私たちが理解を深める大変ありがたい機会と感じております。

準備をしてくださった資料や説明から、現場の困難な状況や努力の様子などがよくわかりました。私が携わっている結核予防会と母子愛育会からも、資料や電話のほか、オンラインでも報告を受けました。

国境を越えた交流をオンラインでおこなえることも実感しました。国際結核肺疾患予防連合が開催したオンラインセミナーでは、世界各地からの参加者の発表や質疑応答を視聴することができました。
このように、オンラインは遠方の人も含め、自宅や学校、職場から離れずに参加することができ、コミュニケーションの可能性を広げていると感じます。

その一方で、一般的な情報通信機器を使うことが難しかったり、その使用によって疲労感が増したりする人もいると聞いており、気にかかっています。直接会うことの良さは多くありますので、状況に応じた豊かなコミュニケーションのあり方について、今後も考えていきたいと思います。

感染症と向き合ってきた医療従事者や、災害対応の関係者、社会を支える様々な仕事に従事する人々に、深く感謝しております。早く感染症の状況が落ち着いて、人々が安心して集い、働き、学び、おだやかに暮らせる日の来ることを願っております。


【問2】
ご家族の近況についてお聞かせください。新型コロナウイルスの感染拡大により、悠仁さまは休校が続きましたが、学校やお住まいでのご様子とともに、今後の進路についてのお考えをお聞かせください。

また、眞子さまや佳子さまのご様子と合わせて、外出を控える中でご家族の時間も増えたと思いますが、ご一家でどのように過ごされてきたかもお教えください。

【ご回答】
長男は、期末考査終了後の2月末から自宅学習が始まり、普段の授業時間に合わせて学校の課題に取り組んでいました。5月の連休明けからはオンラインで遠隔授業がおこなわれるようになり、それを軸にして学習を進めていました。

6月に登校が再開したときは、お友だちと久しぶりに会えることがうれしそうでした。徐々に学校で過ごす時間も長くなり、8月上旬におこなわれた1学期の終業式まで登校しました。8月下旬からは2学期が始まり、元気に通っています。

自宅学習の期間中など、自分で計画を立てて過ごす時間が増えました。昨年に引き続き、赤坂御用地内においてトンボの調査を進めています。短い夏休みの間も、時間や場所を決めて几帳面に観察し、折にふれて父親にも相談しながら調査をしていました。

また、夏休み中は、学校の課題などに取り組むほか、学校の図書室から紹介された本や自宅にある本を読んでいました。今後の進路については、本人と家族でよく話し合って決めていくことになると思います。今は、学校や家での勉学にしっかり取り組むことが大切であると考えております。

長女と次女についてですが、昨年は二人とも、ご即位関係の儀式や宮中で催された茶会などに参列、陪席する機会があり、それぞれの機会を大切に思いながら務めていました。今年になってからは、国内外のCOVID-19関連の報道を、心配そうに追っておりました。

COVID-19の感染拡大にともない、娘たちが出席する予定だった春からの行事は中止や延期、開催方法が変更になるなどの影響もありました。

長女は、総裁を務める日本工芸会や名誉総裁を務める日本テニス協会から、オンラインで説明を受ける機会がありました。毎年おこなってきた日本伝統工芸展の受賞作品の選定は、日本工芸会と話し合った上で環境を工夫し、今年も実際の作品を目の前にしておこなったと聞いております。

次女は、最近では、昨年出席した産経児童出版文化賞についてオンラインで説明を受け、文章を寄せていました。受賞作を丁寧に読み、時間をかけて文章を作成しているようでした。また、今後携わる予定の行事についても説明を受け、準備を進めています。

そうした中で、宮様はCOVID-19が社会の様々な分野におよぼす影響や対応について、できる限り幅広く理解することが大切とお考えになりました。

その考えを私たち家族も大切に思い、感染症の現状と歴史、治療や予防の現場、ウイルスの研究、経済や社会への影響と対応、感染症への偏見や差別の現状や対策などについて、関係者のお話を伺うようになりました。

長女と次女は春から宮様や私と一緒に聴講し、資料も細かく読み込んでいました。長男も中学校が夏休みのときに加わりました。オンラインで受けた内容について、食事の時間に話し合うこともよくありました。

私たちそれぞれにとって、感染症とその影響について多角的に理解するための助けになるとともに、そこから考えをめぐらし、更に学ぶための大切な機会になったと感じております。

5月に、宮様が総裁を務める済生会からお話を伺った際、病院で使う防護服が不足し、職員やそのご家族、市民ボランティアなどが簡易な防護服を作っていると伺いました。

初めて作る人でも手順と注意事項を守れば、簡易な防護服を製作が可能であることを知り、私たち家族と有志の職員とで防護服を作りました。子どもたちも熱心に参加していました。

そのほかに、全日本ろうあ連盟が期間限定で配信した映画や東京藝術大学の若手芸術家を支援するチャリティーコンサートなどを視聴しました。

また、週末に畑の草取りや野菜の収穫をすることもありました。時折、宮様と赤坂御用地内を散策することもあります。久しぶりに家族でボードゲームをしたこともありました。


【問3】
眞子さまと小室圭さんの結婚に関する行事が延期されてから2年半が過ぎました。秋篠宮さまは昨年11月の記者会見で「何らかのことは発表する必要がある」と述べられていましたが、現状や見通しについてはいかがでしょうか。母親としての眞子さまへの思いと合わせて、親子で話し合われていることがあればお聞かせください。
また、佳子さまの結婚や将来についてはどうお考えでしょうか。

【ご回答】
長女の結婚については、対話を重ねながら、親として娘の気持ちを受け止め、一緒に考えていくことが大切だと考えています。その中では、共感したり意見が違ったりすることもありますが、お互いに必要だと思うことを伝え合いつつ、長女の気持ちをできる限り尊重したいと思っております。現状や見通しを含め、話したことの内容をお伝えすることは控えさせていただきます。

また、次女の結婚や将来についても、話し合う機会があった際には、本人の考えに耳を傾け、対話を大事にしていきたいと思います。