×

熱中症に似た症状「夏血栓」に注意

2020年8月21日 19:59
熱中症に似た症状「夏血栓」に注意

21日、東京都心は4日ぶりの猛暑日となりました。熱中症にかかる人が増えていますが、熱中症に症状が似ている夏血栓という症状についてお伝えします。

■夏に注意「夏血栓」とは?

今はコロナに加えて熱中症にも注意が必要ですが、熱中症と似たような症状で夏に気をつけなければいけない病気が「夏血栓」です。

この季節は汗をたくさんかいて体から水分が奪われるので、血液がドロドロになり、血のかたまり(=血栓)でき血管がつまりやすくなってしまいます。これを夏血栓といいます。

血栓が脳にできると脳梗塞に、心臓にできると心筋梗塞といった深刻な病気を招くおそれがあります。

水分が不足して起こる、つまり脱水状態が原因という点では同じです。ただ、熱中症になるか夏血栓、つまり脳梗塞などになるかは血管が『きれい』かどうかで左右されます。ゆえに、高齢者だけがリスクが高いというわけではなくて、血管の状態次第で誰でも起こりうることです。

■熱中症にも似た症状 見分け方は?

さらに、脳梗塞の場合は症状も熱中症と似ているんです。多摩総合医療センターの清水医師に聞いたところ、脳梗塞は熱中症と同じようにめまい、立ちくらみ、手足のしびれなどの初期症状があるということです。脳梗塞か熱中症か、医者でも見分けがつかないと話していました…

ただ、脳梗塞を見分けるサインとしては、体の『片方』に症状が出ることが多いというものがあります。左右どちらか一方の手足がしびれる、片方の目が開けづらいなどの症状がある場合は、脳梗塞を疑った方がいいです。

さらに、もう一つ特徴があります。熱中症であれば涼しいところで体を冷やしたり、水分補給したり、応急処置をすれば大体は回復しますが、脳梗塞の場合は血管の問題なので時間がたっても回復はしません。

■症状が治まっても要注意 「前触れ」の可能性も

ここで注意すべき点があります。
症状がおさまったからといって、脳梗塞ではないとは言い切れません。実は、脳梗塞の『前触れ』である可能性があります。脳の血液の流れが悪くなって手足のしびれなどが出ても24時間以内に病状がおさまる場合があります。これを「一過性脳虚血発作」といいます。この場合、多くは症状が出たあと「数分から数十分」で血液の流れが元に戻り、症状が『完全』に消えてしまいます。

これは、血栓ができたのに元通りになるということです。一度血栓ができて症状がでても、短時間で消えて詰まりが解消されるから体も回復するということ。短い場合は2分くらいで元に戻る場合もあるそうです。

この発作が起きた後、15%~20%の人が3か月以内に脳梗塞を発症し、そのうち半数は数日以内に脳梗塞になるといわれています。
たとえ短時間でも片側がしびれるなど、脳梗塞に似た症状が繰り返し出る場合は、熱中症だと安心せず病院を受診するのがおすすめです。

■夏血栓 どう予防する?
では、こうした夏血栓をどうしたら予防できるのでしょうか。

熱中症と同じで、脱水にならないようにまめに水分補給することが大切です。そして、普段から血液をきれいにするための生活を心がける。コレステロールを下げる食事、運動をする。アルコール、たばこを控えるなどが有効です。

さらに、今年はコロナ対策もあるので、今年ならではの注意点もあります。

(1)マスクを上手にはずす
マスクをしていると脱水症状になりやすいので、人と距離がある場合は適宜、はずすことを
意識してください。

(2)ストレスをためない
ストレスは血栓を引き起こす大きな要因になりえます。今年は自粛だったり、遠出できなかったりとストレスを感じやすいので、リスクが高まっています。運動をしたり、自分なりのストレス解消法で乗り越えてほしいです。

今年の夏はコロナに加えて、熱中症、さらに夏血栓といろいろと心配ごとがありますが、それでストレスを溜めてしまっては元も子もありません。うまくストレスを解消して、規則正しい生活を心がけることで夏血栓のリスクを減らしましょう!

(2020年8月21日 16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)