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安倍政権「不支持」最高に 政治デスク解説

2020年8月10日 14:19
安倍政権「不支持」最高に 政治デスク解説

8月のNNNと読売新聞の世論調査では、安倍内閣を「支持する」と答えた人は37パーセント、「支持しない」と答えた人は54パーセントで、第2次安倍政権発足以来、最高になりました。

政治部・竹内デスクの解説です。

◆竹内デスク解説

安倍内閣の支持率はことし1月以降少しずつ下がり、1月と比べると、今月は15ポイント低くなっています。
自民党支持層で見ても下がっているほか、支持する政党がないと答えた人、いわゆる無党派層でも下がっています。

調査では支持しない理由も聞いていますが、「安倍総理大臣が信頼できない」が最も多く、「政策に期待ができない」などが続いています。
それが最も表れているのが、新型コロナウイルスへの政府の対応が評価されていないということです。

政府の対応については、ことし2月以降、定期的に質問しているのですが、今回「評価しない」が66パーセントと最も高くなりました。
具体的に見ていきますと、今月の調査で、GoToトラベルキャンペーンを先月から始めたことは「適切ではなかった」が85パーセントと、「適切だった」を大幅に上回りました。

また、新型コロナへの政府の対応を議論するため、野党は臨時国会を速やかに開くよう求めていますが、今月の世論調査でも「速やかに開くべき」が73パーセントと多数でした。
しかし、安倍政権は、今のところ10月までは応じない姿勢です。個別の対策への評価が振るわないことに加え、こうした議論への消極的な姿勢も政権への評価が高まらない原因になっているとみられます。

―Q.こうした状況は、安倍総理の政権運営にどういう影響を与えていますか?

やはり、「攻めの選択肢」は取りにくくなっていると思います。「攻め」の代表的なものが衆議院の解散です。
選挙に打って出て、勝利すれば、政権に求心力が戻ります。麻生副総理はこの秋に解散・総選挙、と主張していました。

先月の時点ですが、ある閣僚経験者は、10万円の給付金などが国民に届いたあと、今月くらいからは、内閣支持率など政権への評価も上向くだろうから、解散に打って出られるのでは、と期待を持って話していました。

ところが、政府への評価は振るわなかったわけで、この閣僚経験者も「ちょっと感染が収束しないと無理だ。今は我慢の時期だ」と肩を落としていました。

今回の世論調査の結果を受けて安倍総理は周辺に「こういう感染状況になってしまったら仕方ない」と話しています。

―Q.安倍政権は苦しい状況ですから、野党にとってはチャンスと言えますよね?

それはその通りです。
ただ、内閣支持率が下がっている中で、野党の支持率も低い水準にとどまっています。
安倍政権に代わる新型コロナ対策や今後のビジョンを示せているのか、野党も問われていると思います。