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“施設”希望も自宅療養…医療にも限界迫る

2020年8月8日 5:39
“施設”希望も自宅療養…医療にも限界迫る

全国で7日、1600人を超える新規感染者が確認されるなど、新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。医療現場でも日に日に深刻さを増す中、陽性が確認されても自宅療養を余儀なくされる人も──。

◆症状改善せず…施設希望も『自宅療養』

5日前に陽性が確認され、取材に対し、症状が一向に良くならないと訴えてきた愛知県名古屋市の20代の女性。発症から15日目の7日は……

陽性患者(20代)「あまりにも治りが遅いということで、病院に検査に行くことになりました」

症状が出てから2週間あまり。改めて問診を受けに病院に行きました。発熱のほか、味覚・嗅覚異常も続いているといいます。

陽性患者(20代)「いまとってもお世話になってるレンチンご飯とレトルトカレーです。こうやってキッチンにたってるのが、しんどいです」

自宅療養のため、食事の準備は、自分でやるしかありません。ただ……

陽性患者(20代)「カレーいただきます」「味しないなあ。匂いもしないし。正直おいしいのか、おいしくないのかが分からないです。おいしいカレーが食べられるようになりたいです」

女性は施設療養を希望していますが、愛知県内の軽症者向けの宿泊療養施設は6日までに63室。すでに48室が埋まっています。

7日、新たに1か所開設されましたが、女性のもとにはいまだ連絡がきていないといいます。

◆医療現場は“限界”迫る

一方で、都内の陽性患者を受け入れている病院には限界が迫っていました。

河北総合病院・杉村洋一院長「成人が30床と子ども6床を準備しているんですけど、今朝の時点で、成人が29名、子どもが1名入院しています。働いている職員も、今の30床の対応が“限界”」

7月に病床を倍に増やしたものの、すでにほぼ満床。1週間前から、患者にもある変化が出てきました。

河北総合病院・杉村洋一院長「1週間くらい前までは7割くらいが20代、30代の若い人が多かった。今では半分以上が50代以上になっています。この1週間で確実にあがっている」

日に日に深刻さを増す、医療現場。こうした中、7日、専門家らが議論する分科会では、専門家が今の感染状況がどの段階にあるかを判断するための“新たな指標”を政府に提案しました。

現在、4つのステージに分かれていて、一番感染が拡大した状態がステージ4です。

西村大臣が発表した“新たな指標”では、確保できる病床の半分以上が埋まることや、1週間の新規感染者数が人口10万人あたり25人以上になることなど、6つの数値が具体的に設定されました。

◆ステージ4“5項目”沖縄に危機感

これに危機感をあらわにしたのが、7日、新たに100人の感染が確認された沖縄県です。

沖縄県の担当者「5つがステージ4に該当するのではないかと」

沖縄県は、すでにPCR陽性率以外の5つの項目でこの指標を上まわりました。

沖縄県民「友達の知り合いとかが感染かかったりとかは聞いて。第1波よりも結構怖いです、状況としては」

県独自の緊急事態宣言も出される中、国際通りにある居酒屋では、売り上げは去年の1割以下。しかし、ほとんどがステージ4にあたる今の状況については……

居酒屋マネージャー「今ワーストワンですので、本当に緊急事態ではあると思う。空港を閉鎖してもいいんじゃないかなと。沖縄の民族性ですかね。月に一回仲間で集まったり、親戚で集まったりもあるので、これからそこも自粛しないと、さらに広がっていくと」

分科会の尾身会長は、「数値はあくまで目安」だとして、地域ごとに感染拡大の予兆を早めにとらえ、対応するよう求めています。

◆感染広がり…想定外の事態も

感染が広がる中、各地で想定外の事態も起きています。

北海道・札幌市の歓楽街・すすきの。これまで公表されていなかった、感染が確認された夜の街の店名が、外部に流出したのです。

流出したとみられる内部資料は、札幌市保健所が作成していて、資料には27軒の店名と住所だけでなく、なぜかハートマークが。感染リスクの高さをハートの個数で分けていました。

掲載された店の経営者「流出されたことは正直、今後に関しては厳しい状況になる。人の生活が変わるので、何かしら対応してほしい」

札幌市保健所は「大変遺憾であり、情報管理の徹底を図る」としています。

さらに、大分県の大分地方裁判所では、刑事事件の裁判員裁判を担当していた裁判員が感染。7日に言い渡される予定の判決は、取り消される事態となりました。


※8月7日放送『news zero』より。