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一律12万円給付へ 千代田区政策に羨む声

2020年7月21日 19:31
一律12万円給付へ 千代田区政策に羨む声

東京都千代田区は新型コロナウイルス対策として、区民全員に12万円を配る方針を固めました。国会議事堂や東京駅などを抱え、日本の中心ともいえる千代田区の思い切った政策ですが、お隣の区に住む人は複雑な思いで受け止めていました。

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住宅街にたたずむ龍閑児童公園。公園内に区の境があり、北側の看板には千代田区、南側の看板には中央区と表示されています。そして今、どちら側に住んでいるのか、このわずかな違いが“意外な格差”を生んでいます。

「ボーナスをいただくような気持ちで、すごくフレッシュです。うれしいって」(千代田区民)

「もらいたいなと思うけど、そこまで強く言えないですね」(中央区民)

喜ぶ千代田区民と、がっかりする中央区民――実は、千代田区が驚きの政策に動き出したのです。

「80億円を千代田区民全員に分配する」(千代田区・政策経営部)

災害や不況に備えて積み立てられていた基金約80億円を千代田区在住者全員に一括配布するという政策です。新型コロナによる不況の回復が目的ですが、その金額はなんと一人12万円。

実現すれば夫婦合わせて24万円になるという女性は…。

「(旅行で)松島行こうと思ってましたから、もっと遠くへ行ってもいいかなと思ったり」(千代田区民)

■なぜ、12万円もの金額に?

12万円という金額は、品川区が高校生以上に実施する3万円の「しながわ活力応援給付金」の実に4倍。

その金額の大きさは、区の人口が関係しているかもしれません。

千代田区の人口は23区の中で最低の約6万6000人。約41万人の品川区と比べると6分の1ほど(6月1日時点)なのです。そのため、財源を山分けする人口が少ないことが考えられます。

さらに、川をまたいだ目と鼻の先に千代田区がある住民は…。

「そっち(千代田区)に住んでおけば良かった」「うらやましい。せめて都(単位)でやってくれたらいいなと」(新宿区民)

千代田区は今後の議会に給付金の素案を提出する予定です。