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事件の全容は? 河井前法相夫妻を起訴

2020年7月8日 22:05
事件の全容は? 河井前法相夫妻を起訴

6月18日に逮捕された河井夫妻。
2019年の参議院選挙をめぐり、2人合わせて100人に約2900万円を配り買収したなどとして、公職選挙法違反の罪で8日に起訴されました。
大規模にカネがばらまかれたとされる選挙違反事件。
その全容を検証しました。

河井夫妻が金を配ったとされる逮捕容疑となった94人のうち、首長や県議など、当時、現職だった政治家は40人。

このうち、克行被告から2回に渡り、あわせて50万円を受けとった広島市議は・・・
沖宗正明広島市議「2回目は、6月の初旬だったと思いますが、そのときは、河井案里さんの話もでました。やはり、公示の1か月前くらい、選挙応援を依頼する趣旨があったと感じざるを得ませんでした」

このとき受け取った20万円について、沖宗市議は、参議院選挙の直前だったことから、買収の意図があると感じたと証言しました。

河井夫妻が金を配った内訳を月別にみてみると、人数と金額ともに一番多いのは、参議院選挙の前の月にあたる6月。

47人に配られた金額は820万円以上にのぼっています。
選挙直前の効果的なタイミングに、集中的に金を配っていたことがうかがえます。

さらに、カネを配る際に重視したとみられるのが地元有力者の影響力。
元県議会議長で当選12回の大ベテラン・奥原信也県議には、立件された中で最高の200万円。
県議会の副議長を務めた事もある児玉浩・安芸高田前市長にも、60万円が配られていました。

案里被告の陣営を取り仕切る「総括主宰者」として起訴された克行被告。金の分配も主導していたとみられます。

取り調べに対して克行被告は、一部については「金を渡したが、買収の意図はなかった」と容疑を否認しており、一部については「覚えてない」と供述。
案里被告は「渡したかもしれないが覚えていない」と供述しているということです。

河井夫妻の起訴について菅官房長官は「どのような形で(起訴)されたのか承知しておりませんので、(コメントを)控えます」と述べました。

選挙の際、自民党からは案里被告側に1億5000万円が渡っています。
この選挙資金について、6月30日の自民党の会合では説明を求める声が相次ぎ紛糾しました。
ある自民党議員は「地元に戻ると『(河井被告の)買収資金の原資はなにか?』と批判される」と述べました。

これについて、記者会見で二階幹事長は・・・
「(Q.新人候補に対して1億5000万円を使うことは改めて適切だったとお考えですか?)ケース・バイ・ケースであります」

野党からは・・・
立憲民主党・安住国対委員長「事件の発覚以来、一切説明責任は果たしていない。河井夫婦は2人とも議員辞職をすべきである」

野党は、1億5000万円の選挙資金について、安倍総理の説明を求めていく構えです。

2020年7月8日放送 『news every.』より