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都知事選 「コロナ政策」の違いは?

2020年7月3日 19:08
都知事選 「コロナ政策」の違いは?

東京都では3日、新たに124人の感染が確認されました。感染状況と、5日の東京都知事選挙に関してお伝えします。 

■2日連続で100人超え

東京都では3日に124人、2日も107人と、2日連続で100人を超えました。小池知事によると、3日の124人は20代30代の若い人が7割を占めていて、新宿エリアで50人、池袋エリアで7人が確認されているということです。 

2日の107人の感染者を詳しく見てみます。 年齢別では10代から30代までが73人で、約7割にあたります。 感染経路不明が45人。半数近くにのぼりました。 

“夜の街”で働く人や客の感染は29人。このうち新宿が16人で池袋が2人でした。 

家庭内での感染が9人。このうちの5人は、すでに親族の集まりから感染者が出ているケースです。 会食での感染は7人。友人との会食や職場の飲み会などでした。 施設内での感染が11人。このうち7人は、すでに5人の感染が分かっている荒川区の介護施設のケースでした。 

感染した場所を7月1日までの1週間の累計で見てみると、“夜の街”が44%、感染経路が分かっていない調査中が40%です。 

東京都の専門家である国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師も感染経路不明者に注目しています。 

今のペースで感染者が増えると、感染経路が分からない人が、4週間後に約6倍の1日あたり160人、8週間後には約40倍の1日あたり1000人ほどになる、ということです。 

■コロナ対策下での選挙 どうなる?

このように感染者が増加傾向にあるなか、5日の日曜日には東京都知事選挙が行われますが、どのような対策がとられているのでしょうか?

足立区の期日前投票所の入口の前に並べてあるのは、投票用紙に記入するための鉛筆。しかしこれは「使い捨て」で持ち帰りができるものです。受付では投票用紙などの受け渡しをシート越しにトレーで行います。記入台も一部を使用禁止にし、間隔を確保しています。 

一方、候補者も対策をとりながらの選挙運動です。 
山本さんは、フェイスシールドとマスクで肘タッチ。会場では「間隔をあけて」とお願いプラカードも掲げられています。
小池さんは、密になるため街頭演説はせず、オンラインでの訴えのみでした。 
宇都宮さんは、マウスシールドでグータッチです。 
小野さんも、マウススシールドで肘タッチ。 
立花さんは、写真撮影の後の握手はせず、おじぎですませることもありました。 

投票当日の「密」を防ぐため、東京都の選挙管理員会は期日前投票の利用を呼びかけています。 

■主要候補者の政策比較は?
今回の都知事選、主な候補者は届け出順に山本太郎さん、小池百合子さん、宇都宮健児さん、小野泰輔さん、立花孝志さんの5人。コロナ対策と経済対策について、各候補者の主張を比較します。

・コロナ対策
まず、山本さん、小池さん、宇都宮さん、小野さんの4人はいずれも「PCR検査の体制の強化や充実」を訴えています。立花さんは、行き過ぎた自粛に反対しています。 

・経済対策

れいわ新選組代表・山本太郎さん(45) 
「都債を発行し15兆円規模の対策を行い、全都民に10万円給付」など、貧困対策に力を注ぐ、としています。 

現職・小池百合子さん(67) 
「生活資金・住まい確保等のセーフティネット機能の強化」とし、小池さんはどちらかというと検査や医療体制の整備を重視しています。 

元日弁連会長・宇都宮健児さん(73) 
「収入が減少した非正規労働者やフリーランス、学生などには生活補償を徹底する」として、自粛の影響が大きい社会的弱者への支援を強く訴えています。 

前熊本県副知事・小野泰輔さん(46) 
「科学的なエビデンスに基づき、経済活動と感染症対策を両立」とし、今の東京都の対策には科学的根拠がないとしています。 

NHKから国民を守る党党首・立花孝志氏(52) 
「都債を発行し都民に現金給付し、飲食店やイベント業の生活を守る」と訴えています。 

このように経済や弱者対策、どこを重視するか、色合いが違います。

■小池都政への評価は?

今回の選挙は現職・小池さんのこの4年間の都政への評価も重要なポイントです。

小池さんは4年前の都知事選に出馬する際、こちらの「7つのゼロ公約」を掲げました。

1、待機児童ゼロ 
2、残業ゼロ 
3、満員電車ゼロ 
4、ペット殺処分ゼロ  
5、介護離職ゼロ 
6、都道電柱ゼロ 
7、多摩格差ゼロ 

達成できたのはこの7つのうち「ペット殺処分ゼロ」の1つだけです。待機児童についてはゼロにはなっていませんが、2016年の8466人から、2020年には2300人にまで減ったという現状があります。 

今回の東京都知事選では以下の17人も立候補しています。 

七海ひろこさん(35)
桜井誠さん(48)
込山洋さん(46)
竹本秀之さん(64)
西本誠さん(33)
関口安弘さん(68)
押越清悦さん(61)
服部修さん(46)
斉藤健一郎さん(39)
後藤輝樹さん(37)
澤紫臣さん(44)
市川浩司さん(58)
石井均さん(55)
長澤育弘さん(34)
牛尾和恵さん(33)
平塚正幸さん(38)
内藤久遠さん(63)

過去最多の22人の立候補となりました。投票日は5日の日曜日で、即日開票されます。

2021年のオリンピック開催の是非についても各候補でスタンスが分かれ、大きな争点となっています。また、新型コロナウイルスの感染拡大によって、東京に人と経済が一極集中していることへのリスクも浮き彫りになりました。コロナ後の首都・東京をどのように描くのかも大切な視点です。候補者の政策をしっかり見極め、感染対策をとりながら、一票を投じましょう。

※2020年7月3日放送 news every.『ナゼナニっ?』より