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「4週間後には経路不明6倍も」感染再拡大

2020年7月3日 16:52
「4週間後には経路不明6倍も」感染再拡大

新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京。

都は2日、緊急会見を開きましたが、専門家は、町中に感染が広がっている可能性を指摘。

「この状況で増えていくと、4週間後にはリンクが追えない新規の陽性者数が6倍に増える」と警鐘を鳴らしています。

■感染者100人超・・・再開矢先で不安

東京・港区の居酒屋『根室食堂』では、店主が東京都の臨時会見を真剣な表情で見つめていました。

ようやく戻り始めていた客。ただ、今回の影響なのか、急にキャンセルの連絡が入ったといいます。

「100人超えたか、ついに来たかという感じ。先週末はすごい混んだので、この調子で頑張っていこうといった矢先だったので、すごいがっかり。この先お客さん来るのか心配にもなりますね」

同じく、会見を見ていた東京・台東区の飲食店『新福菜館 浅草店』の店長は。

「厳しくなっちゃいますよね。来店(客)は少なくなるとは思うんですよね」

浅草に店を構えていますが、まだ観光客はほとんど来ない状況。そこに追い打ちをかけられ・・・

「またかーってどうなんだこれからって。不安しかないですね。どうしようかなって感じですよね」

新しい日常を送る中で広がる不安。福岡から東京へ出張に来た人も。

「混雑しているところみると怖いですね。(Q.100人超えで会社から何か言われた?)『基本的にはあんまり出歩くな』とは言われてるし、あんまり会社のみんなと接触しないようにと。(Q.せっかく東京来ても観光は?)観光なんかとてもじゃないけど、余裕がない」

先月から営業再開したばかりの東京・世田谷区の映画館『下高井戸シネマ』。

映画館の代表「だんだん売り上げが伸びてくれればいいな、お客さんが戻ってくればいいな、と思っていたところなんですけど、先への期待が薄れるというか」

■多くを占める「感染経路不明者」

2日の新規感染者107人の中で多くを占めた感染経路不明者は45人。

東京都の会見に同席した国立国際医療研究センターの大曲医師は。

「7月1日時点での新規の陽性者数における接触歴が不明な方の増加の数は、27.1人で増加比が158%。この状況で変化なく増えていくと、実際4週間後にはリンクが追えない新規の陽性者数が一日あたり6倍に増えます」

今の状態が続くと、1日あたりの新たな感染者のうち、感染経路が分からない人が4週間後には6倍の160人になるというのです。さらに大曲医師は・・・

「1日160人なんて数を見ただけでも、このまま増えていけば6日で1000人近く、12日で2000人近くの患者さんが出るっていうのはものすごい数ですので、これは相当医療に負荷がかかっている」

小池都知事は会見で「今後重症化しやすい高齢者層に感染が広がるなど、急速に感染者数が増加する可能性も否定ができない」と述べました。

■感染者の「質」が変わる可能性

医療現場からも、“感染者の質が変わる可能性”を指摘する声が。

昭和大学病院・相良博典医師「若い方が増えていって、結果的には高齢者に接する機会が多くなってくる。高齢者、あるいは基礎疾患を持っている方にどんどん感染が広がっていくということになると、前みたいな形で一気に重症化していくかもしれないので。感染者が増えてきている、という事実は今後注視していかなければいけない」

軽症者を受け入れるホテルで対応にあたる医師は危機感を強めます。

平成立石病院・大桃丈知医師「一番少なかった時には(療養者は)10件に満たないぐらいまで減る時もあったんですが、7月に入ってすでに100(人)という数字まで増加している」

3日、新たに20人ほどの患者が入る予定だといいます。

東京都の感染者100人超え。街では不安の声、医療現場では”第2波”への警戒が急速に広がっています。

2020年7月2日放送 『news zero』より