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外食チェーン“レジ袋無料”継続の動き

2020年6月17日 20:35
外食チェーン“レジ袋無料”継続の動き

来月から始まるレジ袋の有料化ですが、外食チェーンで無料配布を続ける動きが出ています。テイクアウトの増加で、レジ袋の使用が増える中、お店の負担となる無料配布をなぜ続けるのでしょうか?

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17日も、開店と同時に多くのお客さんが訪れた墨田区のスーパーマーケット、スーパーイズミ。レジで話題になっていたのは…。

店員「7月からね」「来月から有料になります」

来月1日から始まる、プラスチック製レジ袋の有料化。

海洋ゴミや、地球温暖化問題が深刻化する中、有料化によってレジ袋の数を減らし、マイバッグの持参などを促す目的があります。

スーパーイズミでは、小・2円、中・3円、大・5円で販売するといいます。

客「しょうがないのかなという部分もありますけど、エコバッグ用意するのも手間かな、みたいなところもあるので」

客「生ゴミを捨てるときに袋あると助かるので、有料化になったら考えなくちゃ」

ただ、店によりますと、先月頃からマイバッグを持参する人が増えているといいます。

スーパーイズミ・五味衛社長「2割くらいは、以前よりも徐々に(増えている)。自分なりに理解して、準備に入っていると感じますね」

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街で聞いてみても…。

自営業「数か月前からエコバッグを持っています。こういう感じで。もったいないのもあるし、ビニールはあまり使いたくない」

保育士「これです。昔からレジ袋を毎回使うのはもったいないと思っていたので」

もったいないなどとの思いから、多くの人が、マイバッグを持っていました。

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新型コロナウイルスの影響で、テイクアウト需要が高まっている牛丼チェーンの吉野家。

テイクアウトの際、レジ袋を使用しますが、来月以降も無料で提供を続けるといいます。

その秘密は、レジ袋の原料。

吉野家 広報・寺澤裕士さん「こちらの袋ですが、バイオマスプラスチックを25%配合した袋になっております」

バイオマスと書かれたマークがついた、こちらのレジ袋。バイオマス、つまり再生可能な植物などを元に作られています。

バイオマス原料が25%以上含まれたものは、環境に配慮しているとして、有料化の対象から除外されているのです。

現在、吉野家では、バイオマスレジ袋への切り替えを行っていて、来月以降も、無料提供を続けるといいます。

吉野家 広報・寺澤裕士さん「エコバッグですと衛生の担保ができないものですから、毎回新しい袋を使っていただきたい」

客が持参した袋だと衛生面に不安があり、コストは割高になるものの無料を続けるということです。

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レジ袋の国内シェア、およそ30%をしめる福助工業。

近年、バイオマス入りのレジ袋の製造量が増えているといいます。

福助工業 営業業務部長・大野輝幸さん「3年くらい前からぐっと伸びてきて、直近では、昨年対比倍以上伸びているのでは」

サトウキビから作っているというバイオマスレジ袋。

石油由来のものよりはコストは割高になるということですが、外食産業を中心に注文が増えているということです。

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回転寿司チェーンのくら寿司もその一つ。

持ち帰り用のレジ袋を、来月からバイオマスを使ったものに切り替え、無料で提供するといいます。

くら寿司広報 池袋サンシャイン60通り店・辻明宏さん「当社の場合、お持ち帰りのおけが特殊な形状で、エコバッグに対応できにくいということもありまして」

持ち帰り用のおけは幅が広く、お客さんが持参したバッグには入りづらいため、店にとっては負担となるものの無料を続けるということです。

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一方、バイオマス配合の袋でも有料にする場所も…。

全国におよそ2万4000ある郵便局では、持ち帰り用のレジ袋が有料に。

日本郵便 社会貢献・CS推進室 小関康司専門役「できるだけ袋を減らすという意味合いで、有料にして袋の削減を図っていきたいということ」

購入の際に声かけをし、レジ袋を必要とする客には有料で販売するということです。