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駅の掲示板に 新しい日常へ背中押す言葉

2020年6月5日 20:44
駅の掲示板に 新しい日常へ背中押す言葉

新しい日常が少しずつ始まる中、通勤・通学で目にする、駅に書かれた心温まるメッセージが話題となっています。

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千葉県JR成田駅。改札の先に置かれた黒板には、ここ成田市の花「あじさい」の絵ともに――

「いつもと同じ電車に揺られた通勤・通学の日々が少し特別に感じますね」

「何気ない日常」を喜ぶ言葉。そして「新しい日常」に向けての決意が書かれていました。このメッセージを書いたのは、入社2年目の駅員・伊藤菜奈さんです。長い間、自粛を続けてくれた人や医療従事者などへの感謝の気持ちを込め、仕事の合間に書いたといいます。

JR東日本千葉支社 成田駅・伊藤菜奈さん(19)「(緊急事態宣言後)駅にお客様が少なくなってしまって、私たちはすごく“寂しい思い”をしていました。きのう私が改札に入っているときに(お客様に)『すごいね』と言っていただいたので、とてもうれしかったです」

そして、その思いはきょうも。

掲示板を見た女性と幼児「ありがとうだね」

しっかりと届いていました。

兵庫県の六甲道駅の構内に置かれていたメッセージ(掲示は5月で終了)。「感謝」と書かれたこの部分、実は、およそ1800羽の折り鶴です。最前線で働く人へ感謝をこめて、駅員全員で2週間かけて折ったといいます。

六甲道駅・小松英樹駅長「通勤されている看護師のお客様から、励みになりますとお礼を言われたり、作ってよかったなと」

感謝の輪は広がりを見せています。神奈川県の元住吉駅。東急電鉄の駅係員2人の発案で医療従事者などに感謝の気持ちを込めたメッセージを駅の掲示板に張り出しました。すると――

メッセージを発案した荒川恭介さん、野村雅規さん「医療従事者の方からありがとうございますというメッセージをいただきました」

医療従事者から手紙が届いたのです。そこにはお互いの奮闘を願う言葉が記されていたのですが、実はこうしたやりとりは以前も別の駅で行われていたのです。

東急電鉄では先月、東京・品川区の旗の台駅で地元の大学病院関係者に向けた感謝の手紙を掲示。するとその手紙の下の部分のほんのわずかなスペースに。

「駅員さんいつもありがとうございます 昭和大学の1人として」
「昭和大学の職員として、心より感謝申し上げます」

大学の関係者を名乗る書き込みがあったのです。「命を守る」医療と「生活を守る」鉄道、2つの間に交わされたエール。

東急広報グループ・加藤千咲さん「立場は全然違うと思うんですけど社会を支える2つの立場で交流ができたことはよかったかなと思っています」

人が行き交う駅だからこそ、より感謝の思いは広がります。