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“日本人のコロナ死者少ない理由”共同研究

2020年5月22日 2:12

新型コロナウイルスに感染して死亡する人が、欧米に比べ日本や東アジアで少ないのは、人種による遺伝的な違いが関係しているのかどうかなどを調べる共同研究のグループを、慶応義塾大学などが立ち上げました。

新型コロナウイルスでの死亡率が、欧米に比べ、日本や韓国、中国では低いとして、国際的に注目されています。その背景としては、手洗いの習慣やBCG接種、医療技術の違いなども指摘されていますが、人種による遺伝的な違いがこのウイルスへの免疫を獲得することなどに関係しているという仮説もあります。

そこで、慶応義塾大学、大阪大学、京都大学、東京医科歯科大学、東京大学医科学研究所、国際医療研究センターなどのいろいろな分野の研究者が「コロナ制圧タスクフォース」を立ち上げ、共同研究を行うと、21日、発表しました。

研究の内容は、それぞれ倫理委員会の承認を得た全国約40か所の病院から、新型コロナウイルスの感染者で、重症者、亡くなった人、軽症者、無症状者あわせて約600人の血液を提供してもらい、すべての遺伝情報を解析し、症状の違いとどう関連しているかを調べるというもので、9月をめどに研究結果をまとめる予定です。

どういった遺伝子を持った人が重症化しにくいのか解明できれば、北里大学や東京工業大学の独自技術で、日本人の重症化を防ぐワクチンの開発につなげたいということです。