×

制度の隙間にすっぽり…日雇い派遣

2020年5月20日 16:07
制度の隙間にすっぽり…日雇い派遣

『休業補償』や中小企業や個人事業主などに支給される『持続化給付金』。制度の隙間で、それらを受けられず困っている人たちがいます。仕事が激減した女性の給与明細と苦しい胸の内とは…。



■制度の隙間にすっぽり…日雇い派遣 休業補償貰えず

「日雇い派遣」として登録し、石川県のホテルで勤務する女性。
料理の配膳を担当していますが、新型コロナの影響で仕事は激減したといいます。

配膳業日雇い派遣で働く女性『コロナで外に出るのが怖いというのと同時にお金の心配も?一緒にしなければならない。ダブルですよね。3月の半ばからほぼなく、4月働いたのは1日だけです』

見せてくれたのは給与明細。2月にはたくさんあった仕事が、4月にはわずか1件。給料は8000円ほどになっていました。そして、この女性が訴えたのは休業補償を受けられない苦しさでした。

配膳業日雇い派遣で働く女性『全員配られる10万円とマスクだけですね。持続化給付金は個人事業主の届けを出してないので当てはまらないのかなと』

新型コロナの影響で売り上げが減少した中小企業などを対象に国が最大200万円を支給する『持続化給付金』。対象は、ひと月の売り上げが前の年の同じ月に比べ50パーセント以上減った中小企業や個人事業主などです。

しかし、この女性は日雇い派遣で個人事業主の登録もしておらず、給付を受けられないというのです。

配膳業日雇い派遣で働く女性『(補償について)一通り調べたんですけど、当てはまるものがない。当然3月も5月も今のところなんの補償もないのでこれから先どうしようかな…。仕事を続けるか続けないか、次にするとしたら何するかって』

■労働問題に取り組むNPOに“給付を受けられない”という相談相次ぐ

労働相談を受けるNPO青木耕太郎さん『登録型の派遣の場合は次の仕事がない、紹介しないという形になってお休み状態にされてしまって実質保証もされない、そういう状況の中で収入がなくなってしまうという相談が寄せられています。普段仕事があったものがなくなる訳ですので、それは休業ですし休業補償するべきなんです』

厚生労働省によると新型コロナの感染拡大の影響で解雇や雇い止めの対象となった人は、およそ8000人にのぼる見込み。

業種別では宿泊業や飲食業などが多いといいます。

政府は『持続化給付金』の対象を拡大する方向で調整していますが、支援の手はどこまで届くのか懸念されます。