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休業で働けない人に…“働く場所を”支援

2020年5月15日 19:06
休業で働けない人に…“働く場所を”支援

飲食店で、休業や営業時間の短縮が続き、働くことができなくなった多くの従業員がいます。そうした従業員に働く場所を提供する支援の動きが広がっています。

15日、都内の飲食店。厨房(ちゅうぼう)ではお弁当づくり…種類は和食やイタリアンなど幅広いジャンルに及んでいます。実は店内で調理していたのは、別の飲食店で働くシェフ。シェア型の飲食店だったのです。

&Kitchenオーナー、坂めぐみさん「雇用の悩みを抱えている飲食店だったり、活躍の機会を制限されてしまっている都内の名店の各ジャンルの料理の専門店が集まっている」

家賃など初期投資の費用はかからないというこちらの店には、現在、5人のシェフが…。中には、新型コロナウイルスの影響で閉店を余儀なくされたシェフもいる。

Marmite、枇榔幸樹さん「今コロナを機に、自分の料理の思いを料理に込めてお客さまにお届けできたらなと思って」

ネットで注文してのデリバリーや、来店してテイクアウトなどもできるというこの取り組み。

坂めぐみさん「いろんな飲食店と一緒に課題を乗り越えながら、このコロナ時代を乗り越えて新たな飲食店のモデルの一つとして、クラウドキッチン『&Kitchen』っていう形を作っていけたらなと」

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福岡県ではこんな取り組みも。キッチンカーでカレーを販売していたのは、ホームセンターの駐車場!11日から始まったホームセンターとドラッグストアの駐車場や一部の軒先のスペースを飲食店に無償で提供するこの取り組み。現在エントリーした26店舗の飲食店がテイクアウト販売を行っています。

福岡地域戦略推進協議会、石丸修平事務局長「飲食店なかなか店舗での営業ができませんので、軒先でテイクアウトをやってらっしゃる方、そういった方々が、新たな場所としてぜひこの機会を活用したいと」

参加した飲食店は…。

シーサイドスパイス、浅山裕樹さん「ありがたいことに今までやったことない場所でお客さんも多いので助かっています」

福岡県は14日、緊急事態宣言が解除されましたがこの取り組みは今月31日まで行う予定だということです。

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こちらは宅配サービスを行うピザのチェーン店。外出自粛の影響もあり、デリバリーの注文が増えているといいます。この店でアルバイトとして働く上條真之介さん。

実は上條さん、居酒屋チェーン「塚田農場」などを展開する会社の社員で居酒屋では店長。ピザ店で働くきっかけは会社のある取り組みがあったからだといいます。

エー・ピーカンパニー、店長職、上條真之介さん「ほかの会社で働く他社就労という形で、給料と補償分と別にいただけたりとか。仕事があることが一番うれしいので今ありがたいです」

この取り組みについて会社の担当者は。

エー・ピーカンパニー、人材開発本部、越川康成本部長「(自社の)お店をお休みせざるをえない状況の中で、お客さまに違う形で、何らかの形で貢献できないかなと思いまして。コロナの影響で人が足りなくなっていて困っている、(人材を)必要としている会社さんに逆に『僕らが働きにいこう』ですとか」

人手が足りない場所で働くという、この取り組み。社員およそ800人のうち、半分以上にあたる400人以上が別の店などで働いているといいます。

上條真之介さん「最初道がわからないとか、お客さまと話す接客とかわからなかったんですけど」

当初は別の業種で働くことの難しさもあったという上條さん。それでも…「楽しいですね。普段やってないことやってるので新鮮ですし」

こちらのピザ店で今月いっぱいまで働く予定だということです。

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こうした動きはデリバリーサービスを行う出前館でも…。先月から他の企業と共に飲食店を支援する取り組みを始めたといいます。

出前館広報、小宮栞穂里さん「飲食店向けの“緊急雇用シェア”というところで、雇っているアルバイトとか営業自粛の関係で、思うように雇えないという状況があるところで。どうにか飲食店をお助けできないか、支援できないかと」

人手が足りない飲食店向けに配達スタッフなどとして雇用するこの取り組み。今月いっぱいまで行う予定だということです。

飲食店を支援しようとする動きは今後も広がりを見せそうです。