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「5月がギリギリ」宣言延長 苦境の経営者

2020年5月5日 20:20
「5月がギリギリ」宣言延長 苦境の経営者

5月末まで延長された「緊急事態宣言」。政府は、対象地域を全国としたまま延長することを正式決定しました。この事態を、経営者はどう受け止めているのでしょうか。

■苦境に立たされる経営者

都内のお好み焼き店、麻布いちまるの田中辰哉店長は「当面入ってくるお金がないことが一番心配です」と話します。かき入れ時のゴールデンウィークに、5月4日の予約は1組。5月いっぱいの延長に不安が募ります。

この店の家賃や人件費などの固定費は、毎月最低100万円ほど。緊急事態宣言が延長されたことで、自粛がどこまで続くのかが一番しんどい、といいます。

田中店長「支援をしていただける形を国がここまで出しますよとか、補填しますよというのを言っていただけたら乗り切れると思うんですけど、それもない」

また、都内のタクシー運転手も「閑散としてますよね。どこに行っても。また月末来ても宣言が解除されるのかも不安ですし、仕事してても毎日が不安で」と話しています。


■迫られる閉店の判断


都内にあるまんが喫茶。休業要請で、客は一人もいません。その一角で、総理の発言を聞く経営者の女性は…

まんがの図書館ガリレオ 上関久美子代表「延長はわかっていたこととはいえ、かなりの絶望感はやっぱりありますね。今まで5月6日までと希望をもって進めてきたので」

休業が6月にかかれば、閉店することも考えているといいます。

上関代表「店舗の家賃、不動産屋さんと交渉したんですけど、不動産屋さんの方も『非常に厳しい』ということで、家賃の値下げは難しいと。閉店の判断は、5月がギリギリかなって」

福岡県・北九州市の映画館、小倉昭和館は創業からおよそ80年。初めての長い休館は、5月いっぱいまで延長されました。
 
小倉昭和館 樋口智巴館主「経営的な不安があります。営業を再開しても、皆様が来ていただけるのかと不安があります」
 
存続をかけて売り出しているのは、再開後、映画見放題のパスポート。

樋口智巴館主「6月には色々なことが日常に戻れる、注意しながらでしょうけど戻れるということを期待しています」

■テレワークを始めて2ヶ月。見えたメリットデメリット

長引くウイルスとの戦い。私たちに求められるのが「新しい生活様式」です。3月に取材した、都内に住む岩沢さんの家庭。この頃からテレワークが始まりました。

当初は、後ろで長男がボール遊び。岩沢さんがテレビ電話で会議をすると…長男が気になってのぞくことも。岩沢さんは、なかなか仕事に「入っていきづらい」と話していましたが、それから2か月。岩沢さんはテレワークに「けっこう慣れてきた」といいます。

岩沢さん「オフィス用のイスを買ってそれで仕事するようにしてから結構楽な感じ」

新しい日常に慣れつつあるものの、仕事面でデメリットも感じると話します。
 
岩沢さん「仕事を頼みやすい人に頼んでしまって。実は他の人たちは時間が余っているとかがあります。あとは雑談みたいなものがないので、難しい、悩んでいるような話が仕事であった時に気づけているのかとか」

■親が家にいる生活に、子どもたちは?

小学5年生の長男「いつもと違うから、お父さんと話したくて近づいちゃったり怒られたり」

岩沢さんに、今後在宅勤務をスタンダードにしていけるのかどうか聞くと、こう答えました。

岩沢さん「仕事としては大丈夫だろうが、もし小学校とか学童はやらず、でも会社は『出勤して』となるとそれは困ります。学校が再開しない限りテレワークを続けないときついかな」