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大量検査…韓国の新型コロナ対策 特徴は?

2020年4月7日 23:36

新型コロナウイルスの感染拡大で、韓国の対策はどうだったのでしょうか? ソウルから原田敦史記者の報告です。

韓国の感染者は累計で1万人以上ですが、そのうちの6割以上がすでに治療を終えています。新たな感染者は、ピーク時で1日900人を超えましたが、このところ50人以下まで抑えています。

韓国の対策の特徴は主に3つあると思います。1つ目は日本の10倍もの「大量のウイルス検査」を行ったことです。ドライブスルーのような手法も取り入れて、感染者を徹底的に洗い出しました。

そして、2つ目は「感染経路の調査と情報公開の徹底」です。韓国の保健当局の調査官は、警察のような司法権限を持っています。感染者本人の聞き取りに加えて、クレジットカード履歴や防犯カメラの映像を分析して、行動ルートや接触した人も特定します。そして、感染者が出ると、周辺の携帯電話に一斉に通知がきます。リンク先のホームページを見ると、「感染者がどこに住み、何時何分からどの店を利用したか」などすべて分かるのです。プライバシーをある程度犠牲にしてでも感染をくい止めるという考え方です。

そして、3つ目が「医療崩壊を防ぐ仕組み」です。一時、大邱では病院のベッドが不足し、入院待ちのまま自宅で亡くなる人も出ました。そのため、政府は軽症者を病院ではなく公務員の研修施設などで隔離しながら治療することにしたのです。国内で120か所以上、最大で1万2000人分が用意されました。東京でも民間のホテルで軽症者の受け入れが始まりますが、早い時期に感染が拡大し、対応を迫られてきた韓国の取り組みは、今後の日本にとっても参考になりそうです。