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首都圏で増える“複業ワーカー”を応援

2020年4月7日 16:17
首都圏で増える“複業ワーカー”を応援

一般社団法人「Work Design Lab」代表理事の石川貴志さん。Work Design Labの詳しい活動内容や原点、今後のビジョンについて話を聞いた。

――「Work Design Lab」ではどのようなことを行っているのでしょうか?

首都圏と地方の両方で活動をしています。首都圏は主に会社に所属しながら会社の外でも活動をしたいという方、いわゆる“複業ワーカー”のサポートや、勉強会などをやっております。また、そういった活動を通じて社員に新しい経験の機会を提供したい、という企業のサポートもやっております。

一方、地方では、首都圏で増えてきている複業ワーカーと連携して活動したい、という地方の自治体の方や企業の方々と一緒にプロジェクトを進めております。

――石川さんが今の仕事を手がけるようになった原点はあるのでしょうか。

原点は2つあります。1つは約8年前に子どもが生まれたということが大きな原点になっております。子どもが生まれたことで、会社の外でもより社会的な活動をできないかなというふうに模索しました。

もう1つは、子どもが生まれたのが2010年の年末だったのですが、その翌年の3月に東日本大震災がありました。震災復興のボランティアに行く友人がいたのですが、やはり会社と震災復興のボランティア活動と2つの時間の使い方にだいぶ葛藤されていました。週5で正社員をしている方も、例えば週3正社員であったりと、個人と組織の関係性はもっと柔軟になっていくのではないか。そういったことを考えたことがきっかけになっております。

――1つの会社に属すると週5というのが当たり前ですが、それを根底から少しずつ変えていこうという考え方なのですね。

そうですね。

――現在、力を入れている取り組みがありましたら教えてください。

今ワークデザインラボはメンバーが全部で85人いるのですが、その全員が複業ワーカーとして関わっていただいています。そのため、誰が上司、誰が部下、といった上下関係がなく、個人のやりたいという気持ちをベースにしながら進めております。そういった個人のやりたいという気持ちが、どういった形であれば動いていくのか、そういうことを探求するような実践体・実験体でありたいなということを意識し、考えながらやっております。

――この活動を通じてどんどん未来が変わっていくと思うのですが、石川さんはどのような未来を描いているのでしょうか。

ワークデザインラボでビジョンとして、“イキイキと働く大人であふれる社会、そんな大人を見て、子どもたちが未来に夢を描ける社会を創りたい”ということを掲げてやっております。先ほど言ったように、会社に所属しながら自分自身の意思で色々な活動をするという方を応援しておりますが、様々な活動をしようとすると個人と組織の関係性だけではなく、もっとベーシックな“家族”というチームの関係性も少し変えていかなければならないのです。そこで、ワークデザインラボの活動をするとき、例えば地方に行くときには、家族を巻き込んで一緒に旅行に行く。私自身も、群馬・山梨・鳥取・岩手など、地方で仕事のときに一緒に息子を連れて行くというのが現状です。

――働き方を変えていく、そして家族・企業との絡み方、この枠組みをだんだん変えていく、何かいいきっかけですね。

そうですね。家族と仕事というのは分断されていますが、これからどんどん融合していきたいというふうに思っています。
【the SOCIAL guestより】