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中国の人権派弁護士、釈放も…“隔離措置”

2020年4月5日 15:14

およそ5年前行方不明となり、その後、政治犯として実刑判決を受けた中国の人権派弁護士が5日、刑期を終え、釈放されました。しかし新型コロナウイルス対策としてさらに隔離措置が取られ、家族は面会できない状態が続いています。

5日、刑期を終え釈放されたのは、国家政権転覆罪で2019年1月に懲役4年6か月の実刑判決を受けた人権派弁護士・王全璋さんです。王さんは2015年7月、中国国内の出張先で突如、行方不明となりました。

後に、中国当局がこの時期、人権派の弁護士らの一斉摘発に乗り出したことがわかりましたが、王さんに関しては、3年以上にわたり裁判が開かれないなど、生死さえ不明な状態が続きました。この間、妻の李文足さんらが中国当局の不当性を訴え、情報公開などを求め続けていました。国際社会も強い懸念を示し、中国の人権抑圧の象徴的な存在となっていました。

王さんは、山東省の刑務所を釈放されたものの、新型コロナウイルスの防疫措置として、戸籍のある山東省内で隔離され、北京に住む家族のもとには戻れませんでした。

妻の李文足さんは、「新型コロナウイルスを口実にした、違法な自由の制限」と抗議しています。