全国290件 医師判断もPCR検査できず
新型コロナウイルスの感染を判定するPCR検査をめぐって、日本医師会は、医師が必要と判断しても保健所が認めないことなどから検査を実施できなかった事例が、全国で290件確認されたと明らかにした。
日本医師会の調査によると、先月26日から3月16日までに、新型コロナウイルスに感染した疑いがある人を診察する「帰国者・接触者外来」や一般の医療機関の医師らがPCR検査が必要と判断したにもかかわらず、検査できなかったのは、26都道府県で計290件あったという。
日本医師会は、「それぞれの地域において、検査の余力がなかったのが一番の背景ではないか」と分析している。
以前は、「帰国者・接触者外来」の医師が検査すべきと判断しても、地域の保健所が認めないために検査できないといった報告が日本医師会にも寄せられていた。
今月6日からは検査に保険が使えるようになり、「帰国者・接触者外来」の医師は保健所を通さずに検査できるが、検査件数が大きく増えていないことについて、日本医師会は「検体をとれる医療機関数が大きく増えていないため」としている。