史上最早の桜開花も?…“花見自粛”で余波
今年初めて最高気温が20度を超える暖かさとなった東京。桜の開花が記録的な早さとなるかもしれない。ところが、お花見や宴会には自粛の要請も相次いでいて、様々な影響が広がっている。
これ以上ないほどの春の陽気に誘われて…東京の桜は一気に咲き進んでいる。気になる開花発表はあったのだろうか。その基準となる標本木は11日。
「ソメイヨシノの花が1輪、咲いているように見えます」
開花の基準は5~6輪。今週中に開花発表があればこれまでで最も早い記録。本格的な桜の季節はすぐ目の前。本来であれば花見の宴会がピーク。しかし、今年は新型ウイルスの感染が拡大する中、東京都は都立公園での飲食を伴う宴会は控えるよう要請。さらに11日は、神奈川県内の公園でも…。
「今、県の職員が自粛を呼びかける看板をとりつけています」
飲食を伴う宴会などを控えるよう要請があった。
「今、こういう時期なんで致し方ないのかなと思ってます」
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影響は各所に広がっている。気持ちいい風を感じながら川を下っていくこちらの船。
「(Q満開になったら相当きれいですよね)きれいなんですよね。ソメイヨシノなんですけど」
川沿いに咲き誇るソメイヨシノはおよそ800本。船の上からゆっくりお花見を楽しめる目黒川の観光船。見上げるとそこには…満開の桜が。
例年のこの時期は、既に予約でいっぱいになる便もある人気の観光船。今回、感染の拡大を防ぐため、乗務員に全員マスクを義務づけ、手すりやドアノブなど人が触れる場所をこまめに消毒。安心して乗船してもらえるよう様々な予防をしているが。
ジール遊覧観光事業部、片山亮さん「例年の3割くらいしか予約が入っていない状態」
屋形船で感染が確認されたことなどが大きな痛手に。予約のキャンセルが相次ぎ、現状満席となっている便は1便もないという。
ジール遊覧観光事業部、片山亮さん「(感染拡大する状況で)船業界が積極的にお客様にセールスしていくのは勇気がいりますが、準備万全にしてお客様の選択肢として、選ばれるようにお待ちしたいと思います」
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まだつぼみが目立つその目黒川沿いでは…こちらの飲食店のウリは桜をすぐ目の前で眺められるこの“特等席”。毎年早いもの勝ちだったというが、台帳を見せてもらうと、予約を取り消す線がノートにびっしり。特に団体客などのキャンセルが多いという。
大樽、中野まちこさん「それ(売り上げ)がドンと下がってすごい大変なことになるんじゃないか」
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外出を控える人がどうしても増える中。全国に60の店舗を展開するフラワーショップではまさに“逆転の発想”。
店頭はピンク一色。自宅で花見を楽しんでもらおうと桜に関する商品を大展開している。キャンペーンの背景には、卒業式の中止などで売り上げが下がったこともあるが。
Hibiya‐KadanStyle、新橋駅店、浅利まどか店長「おうちで過ごすことが増えてきている今だからこそ、おうちの中にお花を飾って少しでも明るい気持ちになって、お花の力を感じていただけたらなと」
日本人が大好きな桜。こういう時だからこそ違う見方があるのかもしれない。