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中継:追悼と伝承、復興は…宮城・南三陸町

2020年3月11日 11:50
中継:追悼と伝承、復興は…宮城・南三陸町

1万5899人が死亡した東日本大震災から、11日で9年になる。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府主催の追悼式典が中止になる中、各地で犠牲者を悼む催しが行われている。宮城から中継。

宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎。9年前、押し寄せた津波は3階建ての庁舎の屋上を超えた。旧庁舎が建つ地面が、震災前の地面の高さ。その周りは、およそ10メートルかさ上げされ、3年前、新たな地面に、商店街がオープンした。

旧庁舎前に整備された「震災復興祈念公園」。11日も朝から、多くの人が訪れ、花を手向け、手を合わせている。公園の中心に築かれた「祈りの丘」の頂上には、犠牲者を追悼する石碑が建てられた。

宮城県内の死者・行方不明者は、1万1688人。南三陸町だけでも、831人に上る。そして、丘の中腹を一周する白い道は、「高さのみち」。この道の海抜は、16.5メートルで9年前に襲来した津波の高さだ。

ここは、「追悼の場」であり、震災を伝える「伝承の場」でもある。復興を願う石碑には、「活気と人々の笑顔であふれる町になりますように。」と刻まれている。

大規模な復興工事は進んでいるが、活気と笑顔を取り戻す心の復興は、まだ道半ばだ。