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7割以上が“スマホ依存”を自覚

2020年3月2日 15:41
7割以上が“スマホ依存”を自覚

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「スマホ依存 自覚している?」。メディア・アーティストの石橋友也氏に聞いた。

スマートフォンの市場調査などを行うMMD研究所がスマホ依存についての調査を実施しました。

スマートフォン依存について聞いたところ「かなり依存している」が21.2%、「やや依存している」が52.5%と合わせて73.7%の人がスマホ依存の自覚があることがわかりました。(「2019年スマホ依存と歩きスマホに関する調査」男女562人対象 MMD研究所調べ)

ネット上では…

「歩きスマホも電車マナー悪い人もスマホ依存」
「SNSで世の中の動きを見ないと不安」
「スマホなしでは無理な世の中」

などの意見がありました。

――この話題について、石橋さんに意見を伺います。まずはフリップからお願いします。

「共進化」と書かせていただきました。

僕もスマホばっかり見てるんですけれども、特に10代とかそれ以下の若者だったりすると、僕も姪(めい)がいるんですけれども、教えてもいないのに僕の両親よりもスマホをうまく扱っていたりします。

人類というものは、テクノロジーと共にありテクノロジーを生み出して、若い世代はそれを享受して、テクノロジーとともに育ち、進化していき、また新しいテクノロジーを生み出していくという循環があると思います。

ですので若い人に関しては、あまり親からの立場からして、スマホを触りすぎているからといって、そんなに過度に心配することもないんじゃないかと思います。思ってもみないような、未来を若者たちが作っていく可能性があるんじゃないかと思っております。

一方で、20代、30代以上の人に関しては、先ほど紹介していただいたツイッターのトレンドワードからAIが詩を生成し続ける「バズの囁き」っていう作品の、制作の動機にも関わっているんですけれども。

日々、SNSの雰囲気みたいなものに、何か自分の心理状態をすごく影響されちゃっているなっていうような戒めというか、気づきがありまして。それを何か違った視点から見られないかなと思って制作したのがAIエンジニアと作ったのが「バズの囁き」という作品でした。

こちらは、ツイッター・SNS上の喧噪(けんそう)っていうものを、AIが眺めて詩に加工するっていう構造を用いることで、SNSをまた違った、一歩引いた視点から、見るような視点を皆さんに提供したいと思って作りました。


――ちょっと客観的に見るということですかね。依存することでのリスクみたいなものは何かお考えですか。

よく言われてるのが“フィルターバブル”と言われている現象でして、一見、ネットって多様な意見が集まりやすい場に思えるんですけれども、自分と似た意見ばっかりが目に入ってしまうような構造になっている。特にツイッターですとか。

その弊害が一番大きいんじゃないかなというか、自分の偏見や意見みたいなものがより固まっていってしまうようなところもあるのがちょっと気になるところですね。


――一方で冒頭でおっしゃったようにマナー違反は別としても、スマホ依存そのものが、悪いというわけではない。

一概に悪いとは言えないといいますか、スマホばっかりいじってる今の中学生が何か新しいものを、思いもよらぬものを生み出したりする可能性もあるわけですし、そこはなんていうか、前の世代の感覚で若い人の有り様を一概に否定してはいけないなと思います。


――皆さんも、70%以上の人が依存の自覚があるということで。

自覚があるのはいいことだと思います。それからまた一歩、先に進めるということだと思います。


■石橋友也氏プロフィル
広告会社に勤めながら、様々な表現活動をしている。『金魚解放運動』という作品ではフナから品種改良で作られた金魚を逆方向に品種改良して、再び祖先のフナの形に戻すというプロジェクトで話題に。また、漆職人とコラボレーションし、3Dプリンターなどの先端テクノロジーを活用した伝統工芸を制作。『バズの囁き』という作品はTwitterのトレンドワードから詩を生成するAIによる作品。現代人を取り巻く言葉とメディアをAIを通して描く。様々な作品で 文化庁メディア芸術祭を始め、数多くの賞を受賞。これからもメディアやテクノロジーに対する感覚を生かしながら意欲的に創作活動を続けていく。

【the SOCIAL opinionsより】