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体罰をしないために…ガイドラインで具体策

2020年2月18日 16:04

相次ぐ児童虐待事件を受けて、ことし4月から、保護者らによる子どもへの体罰が児童福祉法などで禁止される。違反しても罰則はないが、保護者や社会全体に考えてもらうため、「何が体罰にあたるのか」を示したガイドラインを厚労省の専門家会議がまとめた。

厚労省の専門家会議がまとめたガイドラインでは、どんな軽いものでも体罰は法律で禁止されるとした。

ガイドラインは体罰を禁止する理由として、親はしつけをする際に「人に迷惑をかけない子どもに育てなくては」といった思いから、「しつけとして子どもに罰を与えよう」とすることもあるかもしれないと前置きしつつ、体罰は、子どもの発達などに悪影響を及ぼすことが科学的にも明らかになったほか、徐々にエスカレートして虐待につながることもあることなどを挙げている。

その上で、具体的な体罰の例として、「人のものを取ったのでお尻をたたく」「大切なものにいたずらをしたので、長時間正座をさせた」「宿題をしなかったので夕ご飯を与えない」「やる気を出させるという口実で、きょうだいを引き合いにしてけなす」などを例示している。

そして、例えば、子どもが親の言うことを聞かない場合、その背景には、親に関心を持ってもらいたい、子どもなりに考えがある、親の言葉を理解できていないなど様々な事情がある、と解説している。

さらに、体罰をしないための具体策もいくつか示されていて、子どもが出掛ける前の支度が遅い場合、「支度」とひとくくりにせず、着替える、カバンを持つなどやることを区切って伝え、それができたら具体的にほめるということや、なかなか座わらない場合には「床か、この椅子か、どちらかに座ってね」と子どもの意思を尊重して選ばせることなど、親が工夫するようアドバイスしている。

専門家会議の大日向雅美座長は、体罰禁止の法規制は「親を追い詰めるものでなく、子どもの権利を守り、親をも幸せにするためであり、地域や周りの人の支援も不可欠だ」と話している。