ふるさと納税 泉佐野市が敗訴…どう判断?
大阪の泉佐野市が、ふるさと納税の新しい制度から除外されたのは違法だとして、決定の取り消しを求めた裁判で、判決が言い渡された。高額な返礼品で多額の寄付金を集めていた泉佐野市。裁判所の判断は――。
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泉佐野市・千代松大耕市長「本市(泉佐野市)の主張が認めていただくことができなかったので、とても残念に思っております」
30日午前、カメラの前で苦渋の表情を見せた大阪・泉佐野市の千代松市長。ふるさと納税の制度から除外されたのは違法だとして、国に決定の取り消しを求めた裁判で、大阪高裁が泉佐野市の訴えを退けた。
裁判長「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする」
裁判にまで持ち込まれた、ふるさと納税をめぐる泉佐野市と総務省の対立。
野田総務相(当時)「ふるさと納税の対象外にすることもできるよう、制度の見直しを検討することといたしました」
2018年9月には名指しで批判された泉佐野市。総務省の「返礼品は寄付額の3割以内に抑えた上で地場産品に限る」という要請に従わず、高額の返礼品で多額の寄付を集めてきた。
さらに去年2月、返礼品に加えて、総額100億円のアマゾンギフト券を送る企画を打ち出し、昨年度には2年連続で全国トップのおよそ497億円の寄付金を集めてきた。
こうした動きを受け、総務省は泉佐野市をふるさと納税の対象から除外することを決定。泉佐野市はこの決定の取り消しを求め、提訴していた。
そして大阪高裁は30日、泉佐野市は制度の趣旨に反する方法で寄付を集め、他の自治体に多大な影響を及ぼした。国の裁量権の行使に逸脱・乱用はないとして、市の訴えを棄却した。
この判決に市長は――。
泉佐野市・千代松大耕市長「主文を聞いたときには正直驚いたというところでございますし、残念に思いました」「最高裁に上告をする。これから手続きを進めたいと考えております」
上告する方針を示した泉佐野市。最高裁はどのような判断を示すのだろうか。