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温泉や遊園地が…「昭和レトロ」人気のワケ

2020年1月29日 18:44
温泉や遊園地が…「昭和レトロ」人気のワケ

いま、「昭和」の懐かしさを味わえるスポットが人気になっている。カフェに温泉、遊園地にまで広がる「昭和レトロ」。人気の秘密はどこにあるのだろうか?

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どこか「横町」のような雰囲気が残る通りにその店はあった。店内には今やなかなかお目にかからない円形の郵便ポストやレトロなおもちゃ、さらに昭和の歌謡界を彩ったスターのレコードがずらり。中でも最も目を引くのは昭和の時代に活躍していた三輪トラックだ。これもオブジェなのかと思いきや――

村瀬昇平代表「食べるスペースがありまして、荷台に。人気のエリアですね」

そんな店の名物は、合計30種類の味から選べる、新しくもどこか懐かしさを覚える「バナナジュース」。ほかにも、見た目から“昔ながらの味”確実のソース焼きそば(540円)など。

昭和の時代にタイムスリップした気分を満喫できるこちらのお店は「OLD WAYS三丁目の米乃家」。去年、愛知県岩倉市でオープンしたばかりだが、うれしい誤算が。

村瀬代表「インスタ映えするような、そういった方たちが非常に多いです」

当初は年配の方の利用を想定していたが、SNS映えすると話題に。若い人に人気だという。

「昭和レトロ」で起死回生を遂げた所も。愛媛県今治市の「鈍川温泉」だ。年々温泉の利用者が減少し、街全体が廃れる一方にあったため、去年、一念発起し、施設を大規模に改修。

鈍川せせらぎ交流館・吉井貴仁館長「昭和レトロを演出するために映画の寅さんのポスターなどを取り寄せまして」

「昭和レトロ」を感じられる温泉として生まれ変わったのだ。昭和の懐かしの「看板」や「ポスター」を施設内に張り巡らせ、売店で子どもが喜ぶ駄菓子や懐かしのおもちゃなどを販売。食堂では昭和の子どもたちのごちそう「オムライス」なども提供する。

リニューアルオープン後、客足が増え続けているというこの「昭和レトロ」温泉。

市内から来た人「お風呂がええんじゃないの、お菓子がいいの?」「おかし」「子どもが楽しんで遊んでいたら連れてきてよかったなと思って」

祖父母はもちろん、孫まで家族三世代が楽しめる温泉を目指しているという。

「昭和レトロ」をきっかけに、かつてのにぎわいを取り戻そうとする動きもある。昭和25年(1950年)に開園した埼玉県の「西武園ゆうえんち」。夏にはナイトプールを実施し、にぎわいを見せるが、全体の入場者数はピーク時の4分の1にまで落ち込んでいた(1988年度:約194万人、2018年度:約49万人)。そこで西武園ゆうえんちは今年70周年を迎えた記念として――

西武鉄道 沿線事業企画部・高橋茜さん「1960年代の世界観を今回つくり上げることによって、また皆様に愛され、お楽しみいただける、そんな遊園地にしていきたい」

全体を1960年代の町並みを再現したイメージにするなど、より昭和を感じられる遊園地に生まれかわることを決めたのだ。今回のリニューアルに地元の住民からは――

所沢市民「こんなすてきになるんですか(家族)みんなで行ってみたいですね」

昭和への原点回帰を決めた西武園ゆうえんち。にぎわいを再び取り戻すことはできるのだろうか。