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高千穂峡で“値上げ”と“予約制”なにが?

2020年1月21日 20:02
高千穂峡で“値上げ”と“予約制”なにが?

年間140万人が訪れる観光名所「高千穂峡」。その観光のための「貸しボート」が今年3月から、最大で3倍の値上げをするという。また今後はボートの「完全予約制」の導入も決定しているという。ここにはどんな背景があるのだろうか。

21日、every.が向かったのは、多くの神話の舞台、宮崎県高千穂町。断崖がそびえ立つこの姿に神々しさを感じさせる、ここ高千穂のシンボルにして、国の名勝・天然記念物。年間140万人が訪れる観光名所「高千穂峡」。そして、高千穂の旅をより充実させてくれるのが、ボートでの渓谷巡り。険しい断崖の間をゆったりと流れる川の流れに癒やしを感じ。

every.「すごい!迫力がすごいですね」

およそ17メートルの高さから流れ落ちる豪快な水の音。日本の滝百選に選ばれている真名井の滝をすぐ目の前で眺めることができる。町の観光協会が運営する貸しボート。年間およそ1億3700万円を稼ぎ出す高千穂町の観光の目玉。

高千穂町観光協会、今村康薦副会長「今後は3名乗った場合、6000円となりますから(ボートの貸料は)およそ3倍ということになります」

これまで3人までの乗船で2000円だった貸しボートの料金を、今年3月から大人3人で乗った場合、6000円と最大3倍の値上げに。値上げ分は環境保全などに使う予定だという。

そして、これまでボートの貸し出しは、当日現地での受け付けのみだったが、今後「完全予約制」にすることを決めた。この背景にあるのが、ボート乗り場で最大9時間半待ちの行列ができることもあるため、観光客から「ボートに乗れない」との苦情が寄せられたこと。

every.「駐車場は満車になっていて、駐車場じゃないところにとまっています」

車を駐車場にとめられず、周囲で渋滞が起きるなど、“オーバーツーリズム”観光公害の問題を解消するため。今回の完全予約制の導入に観光客からは…。

観光客「並んでもし乗れなかったらと考えた時に予約のほうが確実だけどね」「予約制というのはありかなと思います」

そしてこの「完全予約制」、実はあの「世界文化遺産」でも導入されている。居住者の3000倍以上にあたる年間およそ180万人が訪れる岐阜の「白川郷」。

特に冬のこの時期はかやぶき屋根の家を色鮮やかに染めるライトアップを目当てに多くの観光客が訪れるが、やはり道路渋滞などが問題になっている。

観光客「水面に映ったのがきれいでよかったです」「よかったです。前から来たいと思っていたので」

去年からライトアップの見学を完全予約制にし、駐車場も予約制にするなど対策を講じた。

さらなる外国人観光客の増加が見込まれる今年。誰もが楽しめる観光地にするための動きが広がっている。