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九州のローカル線 復旧費に70億、赤字も

2020年1月14日 13:32
九州のローカル線 復旧費に70億、赤字も

観光列車の運行ルートにもなり、昔ながらの風景を背に走るローカル線。近年の度重なる豪雨で無残な姿に…。いまだつながらない、未来への線路。

日田彦山線、九州北部を南北に走るローカル線。電化されておらず、ディーゼル列車で走ります。いわゆる“撮り鉄”の松野正浩さん。

松野さん「四季折々の沿線の風景が楽しめますし(日田彦山線は)ローカル線の魅力を満載しているんじゃないかと思いますけど」

その日田彦山線も豪雨に飲み込まれました。筑前岩屋駅から列車で病院に通っていた梶原さん。バスはステップの上り下りがつらく、片道5000円ほどかけてタクシーで通っています。以前は月に1度だった通院を、2か月に1度に減らしました。

梶原さん「みんなの望みは早く(復旧)してもらいたいのが本当でしょうね」

必要としている人のため、1日でも早く復旧したい自治体と、ローカル線を運行するJR九州には温度差が…。

JR九州・青柳俊彦社長「日田彦山線の復旧費が約70億円にのぼるということで、当社単独での復旧は難しい」

鉄道事業では実質的な赤字が続いているJR九州。そのため不動産業や飲食業など事業を多角化。その黒字分で赤字を埋め、路線を維持してきました。日田彦山線の被災場所を含む区間は1日に300人足らずの利用者数。明らかな赤字路線です。

JR九州・青柳社長「維持をしていくためのルールを、きちっと作っていかないといけないのかなと」

ローカル線の将来を“自治体と一緒になって考えるべき”と投げかけました。人気の観光列車が通るJR久大本線は全線復旧し、街には活気が。

一方、復旧のメドが立たない日田彦山線。豪雨災害が浮き彫りにしたローカル線の光と影。自然災害が多発する日本のどこにでも起こりうる事。つなげるか未来へ。全国のローカル線が岐路に立たされています。

※2018年7月、福岡放送・テレビ大分で制作したものをリメイク

【the SOCIAL×NNNドキュメントより】