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家族引き裂いた…“青森空襲”伝える高校生

2019年12月17日 13:40
家族引き裂いた…“青森空襲”伝える高校生

知っていますか?“青森空襲”を――その悲劇を伝えようと、高校生たちが、必死に演じました。

「お母さん!お母さん!お母さーん!」

1945年7月28日、死者1000人以上出した、青森空襲――

演劇部顧問・畑澤教諭「(空襲が起きた)7月28日に我々で何かやりたいと思っています」

演じるのは、3度の日本一を獲得した高校の演劇部。とはいえ、空襲は70年以上前のこと。脚本担当の3人は、空襲を体験した人の話や、体験者の手記から、脚本を作り上げていくことに――

青森空襲体験者「叔母とその赤ちゃんが2人、蒸し焼きになって(死んでしまった)。その時の様子を考えると、とってもかわいそうで、いまでも涙出てきちゃって…ごめんなさい」

体験者にとっては、忘れることはできない光景…脚本があがったのは、上演の6日前。舞台に向けての練習が始まりました。しかし、顧問の畑澤先生は――

「(セリフが)幸せすぎる」「あの頃のことって思い出したくない。書いている人も相当つらかっただろうなっていうような手記がいっぱいあるわけじゃない。もっともっと人の心をえぐらないと」

最終的な脚本が完成したのは上演3日前。演じる生徒たちも、70年以上前のあの日に近づこうとしています。

上演当日の7月28日。見てください。高校生が必死に演じた、空襲で引き裂かれた親子の物語です。

「おとうさんって強いんでしょ?はやく、戦争終わらせてよ!たくさん爆弾降ってきて、周りも真っ赤で、みんな死んじゃった!」

「(お母さんが)小さな子どもを抱きかかえるように覆いかぶさって、重なって死んでいました…」

「お母さんどこに行くの?お母さん!お母さん!!」

同じ日、記念碑の前での追悼イベントでも公演。

全員「7月28日を、私たちは、決して、忘れない!」


※2015年11月放送、青森放送で制作したものをリメイク

【the SOCIAL×NNNドキュメントより】