「SL大樹」走る!SLで復興と技術継承を
知っておきたいデータや情報をひもとく「input」。今回のテーマは「SLで復興と技術継承を!」。藤田大介キャスターが解説する。
東武鉄道の「SL大樹」は2017年に誕生し、下今市駅から鬼怒川温泉駅の間を現在、走っています。きっかけは東日本大震災。日光・鬼怒川エリアも風評被害を受けました。日光・鬼怒川エリアの活性化、さらに東北復興を後押ししたいという思いでSL大樹は誕生。
加えてもうひとつの目的は「鉄道産業遺産の保存と活用」です。現在、SLは全国でも数少なくなっていて、知識を持つ技術者の高齢化もすすんでいます。東武鉄道は、全国のJRや私鉄の協力を受け、SLの復活に取り組みました。
例えば、走る向きを変えるための「転車台」は、JR西日本。車掌車はJR貨物とJR西日本。そして、客車はJR四国の協力で、使われず、なくなりかけていた設備を移して保存することでSL大樹は生まれました。さらに、機関士や車体を修繕する人も、全国の鉄道会社に出向き、厳しい指導の中でいちから職人の技を学んできたそうです。
――鬼石さんいかがですか?
私の息子も、機関車が好きで、私の地元は静岡なんですが、そこの大井川鉄道でSLのトーマスが走っているんですけど、やはりあれに乗っているときの子どもの姿というのは非常に印象深いので、ずっと残っていてほしいと思います。
――そして鉄道の原点ともいわれますから、それをしっかりと学ぶことも大事だということですよね。いま、北海道で動かず保存されていたSLを新たに購入し、もうひとつ走らせる準備をしています。再び動かすために分解して足りない部品は自ら作り、日夜、整備していて、1年後に動かすことを目標としています。
東武鉄道のある職員は「SLを通じて皆さんから感謝と応援をしていただける。それを受けることで“輸送の喜び”という原点を日々教えてもらっている」と話していて、SLが職員教育にも役立っているということでした。
■鬼石真裕氏プロフィル
世界各国にいる日本人の長期海外駐在員が厳選したオススメの飲食店を、Webやチャットで相談できるサービス「たびらく」を運営。ガイドブックに載らないおいしい店を見つけられ、代理で予約もとってくれる。現在、ハワイやパリ、バリ島など33都市に対応。リクルートやグリーなど複数社で事業立ち上げなどを経験した鬼石氏。その後、Webサイト改善を手がけるカイゼンプラットフォームを経て「たびらく」を立ち上げた。新しい旅行体験を作り出すことを目指している。
【the SOCIAL inputより】