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恩田アナ、乳がん語る「気持ちを聞いて」

2019年10月22日 16:13
恩田アナ、乳がん語る「気持ちを聞いて」

2年前に「乳がん」を宣告された中京テレビの恩田千佐子アナウンサーに「乳がん」と向き合うことについて、そして「乳がん」を通じて、恩田アナウンサーが大切に感じたことを教えてもらいました。郡司恭子アナウンサーが取材しました。

愛知・三重・岐阜の東海3県が放送エリアの中京テレビ。平日夕方放送されている報道番組「キャッチ!」で、メインキャスターを務める恩田千佐子さんに話をうかがいました。

恩田アナウンサーは2年前、50歳の時に乳がんを宣告され、自身の番組で告白しました。

恩田アナウンサー「私は来週から2週間ちょっと、この『キャッチ!』をお休みさせていただきます。それは右側の初期の乳がんということが分かり手術をするためです」

診断結果は「ステージ1の乳がん」でした。そして、乳房は全部取るのか、残すのか、また再建をするのか、しないのか、次々と「選択」を迫られたのです。

恩田アナウンサー「だいたい『どうしますか?』って言われて1週間以内くらいには返事をしないといけない状態だったので、ずっとなんかこう選択してきた治療だったなと思います」

選択に悩んだ時、いつも心の支えとなっていたのが、家族の存在。中でも娘の琴子さんは恩田アナウンサーの一番の理解者だったそうです。

郡司アナウンサー「お嬢さんと寄り添い合いながらの治療っていうのはやはり一人で抱えるよりも何か違うものっていうのはあったんでしょうか?」

恩田アナウンサー「やっぱり一人では抱えきれなかったです。うちは主人がもう亡くなっていて夫婦でそういうことを話せなかったので今までもいろんなことを娘に相談してきて。だからいなかったらとか相談に乗ってもらっていなかったらと思うと、本当に押しつぶされていたかもしれないなと思います」

手術当日、琴子さんを病室に呼んだ恩田アナウンサー。

恩田アナウンサー「琴子、触っておく?いろいろ印があるんだけど、ここの丸印があるでしょ?ここの」

琴子さん「触っていいの?」

恩田アナウンサー「いいよ」

琴子さん「あ~分かったかも」

琴子さんに自分の右胸のしこりを触らせました。

郡司アナウンサー「あの時どういうことを思って、触らせてあげたのかなって」

恩田アナウンサー「やっぱり、いずれ娘も乳がんになるかもしれないということで、触っておけば自分の胸の変化も分かりやすいかなと思ったので。あとはやっぱり名残惜しいというかいまから取ってしまう自分の胸の部分だったので、最後に娘に見て触ってもらいたいなっていう思いもありました」

たくさんの不安と迷いの中、ついに手術の時が。恩田アナウンサーが選択したのは「右の乳線の全摘出」でした。無事手術は成功したものの、手術前の不安と迷いがすぐに消えるわけではありませんでした。その思いがこみ上げることもありました。

恩田アナウンサー「家族とか親しい人が乳がんになったときに本人が選んだことを肯定して寄り添って欲しいなと思った。ちょっとでも『こっちの方がいいんじゃない?』とかね、『こうした方が良かったのに』とか言われるとなんかすごい、自分のした選択が良くなかったのかなと思っちゃうから。そこは本人が決めたら『そっか』って言ってね、『がんばろうね』って言ってあげてほしいなって思う。なんか迷ってばっかりだからさ」

乳がんを経験した恩田アナウンサーが感じたこと。

恩田アナウンサー「患者さんというのは混乱しているんですよね。自分が病気になったこととかこれからどうやって治療していこうかっていうことで、なかなか気持ちの整理がついていないので、まずその人の気持ちを聞いてもらえるとちょっとずつ整理ができてくるかと思うので、まずは話を聞いて欲しいですね」