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ナゼ?台風19号で“島消失”地元「残念」

2019年10月21日 20:07
ナゼ?台風19号で“島消失”地元「残念」

石川県の能登半島で、海に浮かぶ小さな島が突然、消えてしまった。その場所は、朝日が美しい名所として知られ、多くの人が訪れる縁結びの観光スポットでもある。地元の関係者からは「残念」という声も聞かれるが、島はなぜ、消えてしまったのだろうか。

石川県珠洲市にある能登半島の観光地の一つ、見附島(みつけじま)。島を望む海岸には縁結びの鐘もあり、多くのカップルが訪れる人気の場所だ。朝日の名所としても知られ、珠洲市の観光ポスターにもなっている。

その見附島の横にあったはずの名もなき小さな島が、なくなってしまったという。そのワケを市に尋ねると…。

珠洲市観光交流課・田中課長補佐「先日の台風19号、能登半島も大きな影響がありまして、翌日の朝、地元の方が見たところ、本来あるべき島がなくなっていたという状況」

今月12日から13日にかけて台風19号が東日本を縦断した。珠洲市でも暴風警報、波浪警報が出され、海もかなり荒れていたという。市によると、消えた小島は、実は珪藻土でできた大きな岩。台風による高波などで削り取られてしまったのではないかとみられている。

すぐそばで旅館を営む70代の男性もさみしさをにじませる。

のとじ荘・平蔵歳吉社長「私はずっと地元で育っているから、あったものがなくなったのはさみしいよね」

男性によると、島が消える予兆は以前からあったという。

のとじ荘・平蔵歳吉社長「島があって、波で(下が細くなっていた)削り取られて」「県の方でも何か対策していればよかったんだけど」

波で徐々に削られていた中で襲いかかった台風19号。

のとじ荘・平蔵歳吉社長「(小島は)水の底に落ちていると思う」

昔から豊漁を願う地元の漁師たちの信仰を集めてきた見附島。管理している神社では…。

見附島を管理する住吉神社・橘重克宮司「自然災害ですから、いずれ朽ちてなくなるとはわかっていたんですけど」「あの小島がこんな簡単になくなってしまうのかと、残念な面もありますね」

女の神様がまつられていることもあり、良縁を求める人も訪れる。心配されるのは…。

観光客「縁結びで来た人は残念でしょうね」「ご利益がなくなっちゃうかもって」

これについて珠洲市は…。

珠洲市観光交流課・田中課長補佐「(Q.ご利益がなくなることは?)おそらくないと思います。大丈夫だと思います」

人気観光スポットにあった島の消失。見慣れるまでにはまだ少し時間がかかりそうだ。