水害に強い住宅を 「耐水害住宅」の実験
台風などによる水害が全国で相次ぐ中、住宅の浸水被害を防ごうと「耐水害住宅」の実験が行われた。
建設されたのは、住宅への浸水を防ぐ「耐水害住宅」。この実験は、防災科学技術研究所と住宅メーカーが共同で行ったもので、大雨などによる床下・床上浸水を防止するための技術を実際の住宅に使用し、水害が発生したときの変化を検証した。
例えば、玄関や窓から浸水を防ぐための構造になっているほか、トイレやキッチンなどから汚水が噴きだしてこないよう、排水管に弁がついていて「逆流」を防ぐ。
実験は、観測史上最大の1時間あたり300ミリの雨を降らせるなどして大雨や河川の氾濫も再現した。
実験開始後、玄関を見てみると──。
対策をしていない一般住宅にはみるみる水が流れ込み、カメラではとらえ切れないほどの水位となった。しかし、耐水害住宅は浸水が見られない。
一方、リビングは、一般住宅では床上浸水に達したが、耐水害住宅は外の水位が1メートル以上となっても室内に変化は見られなかった。
「耐水害住宅」は今後、実験の分析などを経た上で年内の商品化を目指している。