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ポカリ 香港で売り切れ 中国で反発…何が

2019年7月11日 19:31

『逃亡犯条例』改正案に対する市民のデモで混乱が続く香港。その香港で、いま日本のポカリスエットをめぐって騒動になっている。騒動は中国本土へも広がりをみせているという。

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11日の香港。街中には、日本のスポーツ飲料「ポカリスエット」を飲む人の姿が。ポカリは、デモの補給物資の拠点にも。

香港でおよそ1か月間にわたり続く『逃亡犯条例』改正案に対する市民デモ。そのデモ中にも、ポカリ片手に行進する人の姿があった。しかし、このポカリをめぐり、いま“ある騒動”が起きている。

ことの発端は、9日、SNSにあがった大塚製薬の香港法人が消費者に送ったメッセージ。そこには、「現在の状況を鑑みて、TVBでの宣伝を取りやめることを先週決定しました」と書かれていた。

TVBとは、香港の民放テレビ局のこと。TVBは、デモ報道について「中国寄りだ」と批判を受けていて、今月末には、社屋を目指す抗議デモも計画されている。

そのTVBでの広告を取りやめるとメッセージで説明した大塚製薬の香港法人。すると、「ポカリスエットを買って支持する」といった賛同の声が相次ぎ、一部の店では、品薄や売り切れの状態になったという。

しかし、こうした香港の動きに対し、中国ではポカリへの激しい反発の声があがっている。中国のSNSを見てみると、不買運動が呼びかけられていた。さらに、「この水には毒がある!飲むな」などとも。

ポカリへの反発は、これだけではない。中国のアイドルグループ「GNZ48」が出演するポカリスエットのCM。今回の騒動を受け、運営側はポカリとの全てのビジネスを打ち切ると発表。「国家の平和と安定に影響を及ぼす行為に反対する。非常に遺憾だ」としている。

ポカリスエットをめぐり、香港と中国本土で起きている騒動。日本の大塚製薬は、「営業的な判断だ」として政治的な背景はないと説明していて、香港の現地法人も「ご不便をおかけしたことを真摯(しんし)に謝罪する」とコメントを出し、火消しにつとめている。