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年金だけでは2千万円足りない…対策は?

2019年6月11日 15:41
年金だけでは2千万円足りない…対策は?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「金融庁『年金だけじゃ足りない』」。マネックス証券社長・清明祐子さんに聞いた。

金融庁がまとめた報告書では、夫が無職で65歳以上、妻が60歳以上の高齢夫婦の平均的なケースの場合、主に年金収入だけでは月5万円の赤字になり、その先30年生きるとすれば、総額2000万円が不足する、という例を示した。

さらに、年金の水準については「今後調整されていくことが見込まれている」とともに、税・保険料の負担も年々増加しており、金融庁は老後も満足のいく生活が送れるよう、若いうちから、リスクを分散した資産運用を始めるべきとしている。


――フリップをお願いします。

『一歩先の人生設計』と書きました。やはり今から未来を考えて、どのような豊かな人生をすごしていくのかというのは、とても重要なテーマかなと思っています。このニュースで「2000万円足りない」と不安になっている方が多いんじゃないかと思います。ただ、「寿命が延びている」「年金の話」というのは、今に始まったものではなくて、前から課題になっていることです。今回、このニュースで「気づき」があったのであれば、そこから先を見て、より豊かな人生を送っていくのに、「人生100年時代」と言われていますけども、それを先取りして、人生計画を立てて――もしかするとその中のひとつに、やはり若い内から、資産運用をして、もともとの計画よりは少し増やしていくことも考えられるんじゃないかと思います。どちらかというとポジティブに捉えて、より豊かに生きていくために運用もしながら、ためていったらいいのではないかと思います。


――運用するということは、それだけ「遊びたい」「旅行に行きたい」お金も増えていくということになると。

そうですね。そういった形で使いたいモノを使い、少し余裕も残して、老後を楽しむということができるんじゃないかと思います。


――一方で、例えば、ランチをかき込みながら今この番組を見ている忙しい30代の方もいるんじゃないかと思います。なかなか運用する余裕がないという方にはどう思われますか。

実は、運用はちょっと怖いとか難しい、わからないという問題もあるかもしれません。そういった課題を解決するのが私たちの金融機関だと思っているんですが、実は長期で分散して運用していると少しずつ増えていったりしますし、あとはプロの人が運用しているので、そこに少しお金を入れる、少しずつ運用していく、あとは株主優待なんかも楽しみながら投資を楽しんでいる方々もいるので、いろんな選択肢があるので、それをご提案していきたいなと思っています。


――つまり選択肢はたくさんあるから、それに目を向けてみるいい機会、ということでしょうか。

そう思います。


■清明祐子さんプロフィル
オンラインの証券取引を手がけるマネックス証券の社長に4月に就任。大手ネット証券5社で、初の女性社長になった。京都大学経済学部を卒業後、現在の三菱UFJ銀行である三和銀行に入行。2009年に、マネックスグループ内のM&Aを担当する会社に入社。その後、執行役員として、マネックスグループに入り、「暗号資産」、いわゆる仮想通貨の取引所であるコインチェックを傘下に置くなど、ユニークなサービスや取り組みを展開してきた。「お金」の価値が多様化する現在、地銀との連携拡大の中で、顧客の選択肢を広げる戦略を掲げ、生活と社会をつなげる役割を担うことを目指している。

【the SOCIAL opinionsより】