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付録がスゴイ!雑誌「幼稚園」ヒットの裏側

2019年5月8日 18:11
付録がスゴイ!雑誌「幼稚園」ヒットの裏側

まるでラーメンをすすっているかのようなミニチュアや、回転レーンまで再現した回転ずし…実はこれら全て雑誌の付録なんです。今、異例のヒットを飛ばしているのが、幼児向け雑誌「幼稚園」。ヒットの秘密を大塚日奈子ちゃんが探ってきました。


■大人も夢中になる“リアル感”

訪れたのは、東京都千代田区の「小学館」。こちらが、ヒットの仕掛け人、付録を担当して18年の大泉高志さん(42)です。特別に、これまでの付録を見せてもらいました。

大塚「えっすごい!これ“付録”ですか!?」

実は、企業とコラボして、実際にあるゲームや商品を付録にしているんです。幼児向け雑誌なのに、モーターまで付いているものも。ピザのパズルゲームでは、本物のピザを写真にとって再現するこだわり。制限時間内にピザのパズルを完成させるのがミッションです。さっそく、日奈子ちゃんも挑戦しますが、時間が迫ります――

日奈子ちゃん「あ~!!できなかった…これ失敗ってことですか?」

こちらは、懐かしのメダル落としゲーム。これも、なんと紙から作った付録です。メダルの落ち方も本物そっくり。日奈子ちゃん、リポートを忘れて必死です。


■回転ずし店でひらめいた!

そもそも雑誌「幼稚園」は、なんと戦前の1931年に創刊。当時の付録を見てみると、ぬりえやすごろくなどでした。それが、約90年の時を経たいま、斬新な付録を仕掛けたのにはある理由があります。

大泉さん「売り上げ的に、実は苦しんでまして」

去年、従来の付録で販売していたときのデータを見ると、発行部数に対して売れた部数はなんと半分ほど。付録をたった1人で担当する大泉さんは、「これまでとは違う何かをしなければ」と危機感を覚えたそうです。

大泉さん「ある日、仕事と関係なく回転ずしを食べに行ったんですね。その時にお子さんが(回転ずしに)大喜びするじゃないですか。これを家でできたら、お子さんはすごく喜ぶんじゃないかと思って」

そこで生まれたのが去年9月号の付録「かいてんずしつかみゲーム」。こだわったのはリアルさ。本物のすしをプロのカメラマンに撮ってもらい、質感まで伝わるように工夫したそうです。その結果、付録とは思えないクオリティーに大反響。なんと、創刊以来、異例となる完売が相次いだのです。


■難しさが生む“親子のコミュニケーション”

そんな大人気の付録、作ってみるとさらなる発見が。挑戦するのは、街でよく見かけるガチャマシン。これも付録です。組み立てる工程数はなんと全部で70以上。幼児向け雑誌の付録なのに、幼児一人では作れない難しさ。そこには“ある狙い”が――

大泉さん「ひとつの目標に向かって、親子で頑張る」

あえて複雑な作りにすることで、親子の新たなコミュニケーションにつながる。それがヒットの最大の理由。日奈子ちゃんが作り始めて、約1時間後――

日奈子ちゃん「やっとできました!完成しました!」「出てきました~!達成感があります」

最新号は、焼き肉店とのコラボ。ズバリ、焼き肉のオセロバージョン。つくる過程も作った後も、家族みんなで楽しめますよ。