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視力失った少年ドラマー「泣かんといてな」

2019年3月18日 16:31
視力失った少年ドラマー「泣かんといてな」

2歳の時に病気で両目を失った男の子が、「ドラムの天才少年」として脚光を浴びている。大阪生まれの少年が、母親に語ったのは「ぼくはぼくに生まれてきて良かった。ママ、もう泣かんといてな」という感謝の言葉だった。

5人家族の末っ子の酒井響希くん。とても甘えん坊だ。

響希くん「(ママが)横にいるだけで楽しい」

1歳の時に医師から告げられたのは両目の小児がん。いつ脳に転移してもおかしくない状態だった。

母親の康子さん「真っ暗闇の中で一生過ごさないといけないって、それやったらもう、死なせてあげたほうがいいんじゃないか」

がんの進行は止まらず、2歳の時、両目の摘出手術が行われた。

父親の健太郎さん「絶望と不安しかない日常でした」

そんな両親を救ったのは、幼い響希くんの言葉だった。

康子さん「私が泣くのが嫌やったんやと思うんです。もうママーって、もう泣かんでいいよって、ぼくな、もうなんでもできるからなって」

3歳の時、響希くんが出会ったのが“音楽”だった。お父さんがドラムの前に連れて行くと、大喜びでたたき始めました。そして、Def Techのライブへ行った時に、思いがけない言葉をかけられた。

Def Tech・Microさん「4年後、待ってるよ、Def Techバンドで。いけるっしょ。4年あったらいけるだろ?」

同じステージに立ち、一緒に演奏したい。この思いを胸に練習に励み、プロからの指導も受けた。4年半経った2018年7月、約束のステージに響希くんの姿があった。

Microさん「紹介します、スーパードラマー酒井響希」

♪「言葉の壁乗り越えてゆく音楽 目には見えない偉大な力 それが音楽」

響希くんが一番好きな曲。“音楽に救われた自分…”そのものだと感じるからだ。Def Techのドラマーとして、すべての力を出し切った。

響希くん「そして最後にママ。今までぼくを育ててくれてありがとう。ぼくはぼくに生まれてきて良かったです。これからもプロドラマーとして一生懸命生きていきます。ママもう泣かんといてなー」

【the SOCIAL lifeより】