「東北ユースオーケストラ」団員の思い
被災3県の子どもたちで編成された東北ユースオーケストラ。子どもたちが優れた音楽家や指揮者などと出会うことで、さまざまな経験をする「成長の場」だ。被災地を回り、演奏を続ける子どもたちは、地元の人とのふれ合いの中で何を感じるのだろうか?
被災地に音楽を届ける東北ユースオーケストラ。今年2月石巻でのミニコンサート。観客は大川地区の住人たちだ。震災後、ふるさとから離れることを余儀なくされた人々だ。
東北ユースオーケストラは世界的音楽家の坂本龍一さんの呼びかけで2013年に発足した。メンバーは福島、宮城、岩手の小学生から大学生までだ。震災のことをもっと知りたいと、有志が被災地を訪れミニコンサートを開いている。
大川地区を訪れたのは6人。コンサートの前に被災者を訪ねた。この場所は民宿だったが災害危険区域に指定され、住むことができなくなった。この日はユースのメンバーをもてなすため久々に宿を開いた。民宿が生きがいだった坂下清子さんがカキ料理をごちそうする。久々の来訪者で坂下さんに笑顔があふれる。
続いて訪れたのは、多くの児童が犠牲になった小学校だ。ここで弟を亡くした永沼悠斗さんが想いを語る。
永沼さん「助けたかったし、そのための方法を考えておかなきゃ守れないことも、ここでは学ぶべきことなのかなと」
東北ユースオーケストラ・村上怜央さん「地域を回ったり、お話を聞いたりしてみると知っているのと、知らないのとでは違った音になるのかなと思います」
被災地を知って芽生えた想いを音楽に乗せる。坂下さん、永沼さんも演奏を聴きに来た。
“ふるさと”を演奏すると、自然と歌声が…
「♪忘れがたき ふるさと」
演奏を聴いた女性「涙が出てきたよ。またぜひ、本当だよ。ウソでなくて約束」
東北ユースオーケストラが目指すのは心の復興だ。
【the SOCIAL lifeより】