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手のない書家 全身使い思いを筆にのせ

2019年2月19日 15:37
手のない書家 全身使い思いを筆にのせ

5歳の時に事故で両腕をなくした女性が書家として、76歳になった現在も作品を書き続けている。その原動力は何なのか、話を聞いた。

書家、小畑延子さんは5歳の時、事故で両腕を切断した。腕を失ったことを強く意識したのは中学生の頃だったという。

小畑さん「女性ですから思春期がある。男性を意識し始めた時には両手がないことを意識します。でも私の場合は隠せないから、(障害を)さらけ出すことで解決する」

時に好奇の目にさらされながらも中学生で書道と出合う。以来、ケースワーカーとして働きながら書を続けてきた。45歳で、画家の宇野マサシさんと結婚し、夫婦展など共に活動をしている。

小畑さんは残された腕で筆を挟み、からだ全体を使って創作する。手本を見て書く臨書ではなく時々で感じた人生観、好きな言葉を書に表していく。

現在76歳、体力の衰えを感じながらも書きたい言葉を探し続けている。この日書いたのは漢字の「愚」。他人から腕がないのにすごいと言われることも多いというが、障害の有無にとらわれた評価に対し複雑な思いがあった。

小畑さん「手があるかとかないとかじゃなくて(書に費やした)50年間の人生は感じて欲しいという思いがある。自分の人生は書に表していきたい。(死ぬまで)書き続けたいです」

【the SOCIAL lifeより】