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自宅にいながら接客「分身ロボットカフェ」

2018年12月7日 14:21
自宅にいながら接客「分身ロボットカフェ」

「いらっしゃいませ。ご注文はどちらになさいますか?」――店内でお盆を持って動くロボット。器用に左右へ曲がりながら、客の元へ注文を受けにいきます。

このロボットを操作しているのは25kmも離れた自宅にいる高野元さん。ロボットに内蔵されたカメラによって、客の様子が見えています。高野さんは5年前にALSを発症。運動神経系が衰え、体が徐々に動かなくなっていく病気です。現在、会話はできず顔の表情以外はほとんど動かせません。

ロボットの操作法は眼球。眼球の動きをセンサーが検知し、インターネット回線を通じて客との会話はもちろん、ロボットの動きまで操作しています。高野さんの分身となるロボットは「OriHime(オリヒメ)」です。

ロボット「受け取ってください」

客「わかりました、ありがとうございます」

2週間限定で実験的にオープンされたこのカフェ。これまで就労の対象として考えられなかった全国各地の重度障害者10人がロボットを操作し、客をもてなしました。オリヒメを開発する吉藤さんは、人間が操作するロボットの必要性を訴えています。

吉藤さん「働きたくない仕事は全部自動にすればいいんですよ。働くことによって面白い仕事もありますよね。接客したいのに身体的な事情や距離によって、できない状態であれば、それを解決できるのがテクノロジーだと思ってる」

接客してみた感想を高野さんが音声変換システムで伝えてくれました。

高野さん「カフェの店員として、本当に接客ができてすごいと思いました。我々、神経難病や重度障害者は家に閉じこもりがちで孤独になりがちです。OriHimeで外に出られて人に出会えるとそんな孤独感も解消されます」


【the SOCIAL futureより】